ひろはた司法書士事務所

遺贈寄付とは? 相続税をかけずに財産を未来へ遺す方法

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遺贈寄付とは? 相続税をかけずに財産を未来へ遺す方法

遺贈寄付とは? 相続税をかけずに財産を未来へ遺す方法

2026/02/24

「自分の財産を将来、誰かの役に立たせることはできないだろうか?」と思うことはありませんか?

大阪市の相続対策にあたって、近年注目されているのが遺贈寄付です。これは、遺言によって財産を医療・福祉・子ども支援などの公益活動団体に寄付する仕組みで、自己実現や節税の観点から利用が広がっています。一方で、遺贈寄付にはメリットだけでなく留意点も存在し、確実かつ安心して行うには方法や手続きの正しい理解が不可欠です。

本記事では、遺贈寄付とは何かを詳しく解説し、そのメリットや注意点、具体的な方法を整理します。

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遺産整理、遺言、生前贈与、家族信託など、相続と生前対策に関するお手続きに幅広く対応しております。
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目次

    遺贈寄付とは

    ● そもそも遺贈とは?

    遺贈とは、遺言によって財産を相続人以外の第三者に渡すことをいいます。

    人が亡くなると、その人の財産や負債は、通常、相続人に引き継がれます。しかし、遺言に書いておくことで、相続人以外の第三者にも財産を残すことが可能です。

    遺贈は、贈与ともよく似ていますが、贈与は生前に行うのに対し、遺贈は被相続人が亡くなることによって初めて効力が生じる点が異なります。そのほかにも、贈与は贈与税がかかる一方、遺贈は相続税の対象であるという特徴もあります。

    あくまで相続手続きの一環として「遺産を相続人以外に渡したい」という希望を叶える仕組みが、遺贈なのです。

    ● 遺贈寄付とは

    そんな遺贈のなかでも、遺贈寄付とは、一般的に、公益的な活動をする団体や法人(自治体、学校法人、医療法人、NPO法人など)に財産を渡し、社会的な貢献を果たすことを指します。

    遺贈寄付を選ぶことで、医療や福祉、子ども支援など自分が大切にしたい分野に財産を活かすことができます。遺贈寄付により、奨学金基金、病気の子どもを支援する団体、地域医療の向上など、社会的意義の高い活動への支援が可能なのです。こうした遺贈寄付は、自分の想いを形にする自己実現の一環となり、人生の最終章で大きな満足感を得る方も多く見受けられます。

    遺贈寄付を行うには、公正証書遺言などの遺言書で具体的な寄付先や内容を明記する必要があります。この際、遺言執行者を指定しておくと、相続手続きがよりスムーズに進みます。遺贈寄付を選択することで、自分の財産を社会のために役立てる意思を明確に伝えることができるのが特徴です。

    また、遺贈寄付には相続税の節税メリットもあります。公益法人等に遺贈した場合、その部分については相続税が非課税となるため、税負担を抑えながら社会貢献を実現できます。このような優遇策により、相続対策の一環として遺贈寄付を検討する方が増えています。

    ● 遺贈寄付による支援の具体例

    遺贈寄付による支援は、公益性のある団体等に寄付をする方法で行われます。寄付先の団体等(NPO団体や公益法人、教育機関、地方自治体等)には特に制限はありませんが、以下のような団体が選ばれています。

    • 日本財団
    • 日本赤十字社
    • 国境なき医師団日本
    • 日本盲導犬協会
    • セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
    • あしなが育英会

    その他、お住まいの自治体や、お世話になった病院・介護施設・宗教法人に寄付することも可能です。ただし、詳しくは後述しますが、遺贈を受け付けていない団体等もあるので、事前の確認が必要です。

    遺贈寄付を検討する際は、寄付先の活動内容や信頼性、活用実績を確認し、自分の想いを形にできる団体を選ぶことが大切です。専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることで、安心して社会貢献が実現できます。

    ● 遺贈寄付の方法

    遺贈寄付は以下のような方法で行われます。

    1. 生前に遺言を書いておく方法
    2. 生前に死因贈与契約をしておく方法
    3. 生前に信託や生命保険で準備しておく方法
    4. 他界後に相続人から寄付する方法

    最も一般的な方法は1の遺言による方法です。その他、2と3のように、財産を残す人自らが準備をしておく方法が遺贈寄付のほとんどを占めますが、4のように、相続人の意思で寄付をすることも可能です。

    ただし、4の方法は一度相続人を経由して寄付しているので、税法上の取扱いが異なる点に注意が必要です。各方法の特徴を確認し、自分に合った方法で、自分の意思を実現しましょう。

    ※ 以下この記事では、特に言及がない限り、遺言による遺贈寄付を前提として解説します。

    ● 遺贈寄付の相談先

    遺贈寄付に関する相談は、弁護士、司法書士、税理士、行政書士といった専門家に相談することができます。ただし、「遺贈寄付」という言葉が法律用語でないこともあり、相続を専門として取り扱う士業者であっても、遺贈寄付は取り扱っていないことがあります。相談時には、遺贈寄付を取り扱っているかどうかを確認するようにしましょう。

    また、遺贈先の団体が決まっているのであれば、その団体に直接問い合わせることも可能です。大きな団体であれば専属の弁護士等が対応してくれることもありますし、そうでない場合であっても、適した相談先を紹介してもらえるでしょう。

    新しい選択肢としての遺贈寄付

    ● 遺贈寄付の特徴

    遺贈寄付の最大の特徴は、「自分が遺す遺産の使い道を自分で決められる」という点です。特に相続人に財産を残したいと思わない方や、そもそも相続人がいない方、相続人と疎遠である方にとっては、自分が亡くなった後、自分の財産がどのように使われるのかがわからず、不安や心残りが生じることもあるでしょう。そのような方にとって、信頼できる団体に自分の財産を託すことができる遺贈寄付は、自己実現の手段の一つとして有効です。

    また、通常の寄付と違って、いくら寄付するかを考えなくてよいという点も、遺贈寄付の大きな特徴であり、メリットです。遺贈寄付をするのは亡くなった後なので、「いくら寄付しようか」「老後資金としていくら残そうか」ということを考えずに済みます。

    さらに、法人や公益性の高い団体に寄付することで、遺贈による相続税が免除されるという特徴もあります。一定の条件はありますが、最大で55%にもなる相続税を納めることなく自分の希望する用途で使うことができる点は、大きなメリットでしょう。

    このように、遺贈寄付は効率的に自分の最期の願いを叶えるための手段といえます。

    ● 遺贈寄付はどんな方におすすめ?

    遺贈寄付を検討する方の多くは以下のような方です。

    • 相続人がいない
    • 相続人と疎遠である
    • 遺産を有効活用したい
    • 相続人はいるが、どうしても寄付したい活動がある

    一方、身近な家族がいる場合であっても、遺贈寄付をすることは可能です。家族の心情や遺留分に配慮しつつ、周囲に相談しながら進めましょう。

    ● 遺贈寄付の現状

    遺贈寄付は、比較的新しい制度であり、まだ認知度は高いとはいえません。しかし、近年の急速な高齢化や家族観の多様化によって、自己実現の一つの手段として年々注目を集めています。

    近年では、遺贈寄付を取り扱うウェブサイトや書籍といった身近な情報源が増えています。興味のある方は、正しい情報源と信頼できる相談先を見つけ、具体的な検討を進めてみましょう。

    遺贈寄付のメリットと注意点

    ● 遺贈寄付のメリット

    遺贈寄付の主なメリットは以下のとおりです。

    1. 社会貢献を通じた自己実現ができる
    2. 遺産の使い方を自分で決められる
    3. 少額でも受け入れている団体が多い
    4. 相続税や所得税を節税できる

    ここでは、4についてさらに詳しく解説していきます。

    ● 遺贈寄付による節税効果

    遺贈寄付は、相続税対策として選ばれることも多いです。というのも、相続税は相続財産を受け取った個人に課される税金であり、法人への遺贈であれば、相続税は原則として課されないからです。つまり、遺贈寄付によって法人へ遺贈をすれば、相続税の負担を軽減しつつ、社会貢献も実現できるのです。

    ただし、租税回避とみられるような悪質な事例では課税対象となります。また、法人以外(個人や任意団体)への寄付であっても、公的な事業を目的としたものである場合は非課税となることがあります。遺贈したい相手が課税の対象となるかどうか、遺言書の作成前に確認しておきましょう。

    さらに、被相続人の所得について準確定申告をする際に、税制優遇団体(国や地方自治体、公益法人、認定NPO法人など)への寄付金については、寄付金控除を受けられます。また、相続人から遺贈した場合であっても、税制優遇団体へ寄付すれば、確定申告時の寄付金控除によって相続人の所得税が軽減される可能性があります。

    このように、遺贈寄付は税負担を抑えて財産を最大限有効活用できる手段なのです。

    ● 遺贈寄付の注意点

    遺贈寄付の主な注意点は以下のとおりです。

    【相続人に関する注意点】

    1. 相続人が不満を抱く可能性がある
    2. 不動産を遺贈すると相続人に課税されることがある

    【遺贈先に関する注意点】

    1. 遺贈先が遺留分を請求されることがある
    2. 相続税が課される遺贈先もある
    3. 受入れを拒否されることがある
    4. 負債を相続させる可能性がある

    以下では、これら2種類の注意点を詳しくみていきます。

    ● 相続人への配慮

    相続人がいる場合に全財産または財産の多くを遺贈寄付すると、相続人が不満を抱くことがあります。

    そして兄弟姉妹以外の相続人には遺留分と呼ばれる最低限保証された相続分があり、この遺留分を遺贈先の団体等へ請求するという事態も起こり得ます。こうなると、遺贈先が相続人と揉めてしまい、トラブルに巻き込んでしまうおそれが生じます。

    このようなトラブルを避けるためにも、遺留分の権利を有する相続人がいる場合には、その遺留分を侵害しないよう、十分に配慮が必要です。また、事前に遺贈の理由を伝えておく、遺贈先の事業について説明しておくなど、感情的なフォローも重要ですので、遺言を作るときには、家族の了解も得ておくとよいでしょう。

    さらに、不動産や株式を現物のまま遺贈寄付した場合、相続人にみなし譲渡課税が発生する可能性があります。「不動産等を相続しないのに税金がかかる」ということで、相続人が不満に感じたり、納税資金に困ったりすることもありますので、現物をそのまま遺贈することを希望する際は、事前に税理士などの専門家に相談しておくと安心です。

    ● 遺贈先への配慮

    上記のように、遺留分に配慮していなければ、遺贈先が遺留分を請求されるおそれがあります。また、遺贈先が法人ではない場合、その事業に公益性があると認定されなければ、相続税が課されてしまうおそれがあります。

    このようなトラブルも起こり得るので、いくら寄付したいと考えても、希望先の団体等が寄付を断ることもあります。いざ遺言を書いても、受入れを拒否されてしまうと、拒否された財産は相続人が相続することになります。意向に反する事態が生じないように、希望先の団体等とは事前に連絡を取り、遺贈を受け入れてくれるかどうか確認しておきましょう

    また、遺贈をスムーズに進めるためにも、相続手続きを代表する遺言執行者を決めておきましょう。なお、遺言作成を司法書士などの専門家に依頼した場合には、その専門家がそのまま遺言執行者に就任するケースも多いです。遺言執行者には法律の知識や手続きの経験が必要となるため、専門家に任せると安心できます。

    遺贈寄付の方法

    ● 遺言による遺贈寄付の流れ

    遺言による遺贈寄付の流れは以下のとおりです。

    1. 寄付先を選び、事前調整をする
    2. 自分の財産と負債を整理する
    3. 遺言書を作成する(自筆証書遺言または公正証書遺言)
    4. 亡くなった後、遺言執行者が遺贈を行う
    5. 寄付先から領収書や感謝状が届く

    始まりとなるのは寄付先の選定です。どのような事業に自分の財産を使ってほしいか、何に力を貸したいか、信頼できる寄付先はどこかを考え、自分の財産を託す場所を決めましょう。

    寄付先を決めたら、事前の打ち合わせをします。遺贈を受け入れているか、遺言書にどのように記載したらよいか(団体名、住所等)を確認してください。また、この際に相続税非課税の対象かどうかの確認もしておくと安心です。

    ● 遺言書を作る

    遺贈寄付の方法は主に2つあり、特定遺贈と包括遺贈に分かれます。特定遺贈は「この不動産をホスピスに寄付する」など財産を特定して寄付する方法、包括遺贈は「財産の〇%を寄付する」など一定の割合を指定して寄付する方法です。

    どちらの方法で遺贈するかを決めたら、遺言を書いていきます。遺言の作り方についてはこちらのページで紹介しています。また、自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらを選ぶべきかという選択基準についてはこちらのページで紹介していますので、あわせてご参照ください。

    相続開始後は、遺言執行者が遺言書の内容を確認し、財産の名義変更や必要書類の提出を進めます。大阪市などの都市部では、戸籍や住民票の取得が比較的スムーズに行える一方、団体側の受取手続きや受領証の発行に時間がかかる場合もあるため、事前の打ち合わせが重要です。また、遺贈寄付を行う際には、寄付先団体の受け入れ体制や寄付財産の管理方法など、具体的な流れを確認しておくことで、相続人や関係者とのトラブルのリスクを減らせます。

    ● 家族の理解を得るために

    遺贈寄付を検討する際は、まず相続人全員の理解と協力を得ることが円滑な手続きの第一歩となります。相続財産の分配や遺留分など、相続人の権利に配慮した内容で進めることが重要です。

    スムーズな手続きを行うためには、準備段階から司法書士などの専門家に依頼し、必要書類の準備や手続きの流れ、相続人への配慮の必要性を事前に確認しておくことが大切です。

    まとめ

    遺贈寄付とは、自分の死後、財産の全部または一部を公益団体などに寄付することを遺言で指定する仕組みです。大阪市でも、医療や福祉、子ども支援など、社会的課題解決のための寄付先が多く存在します。

    遺贈寄付を検討する際は、「どのような社会貢献をしたいか」「自分の財産をどう役立ててほしいか」といった想いを明確にすることが大切です。また、遺言書を適切に作成し、寄付先団体と事前に意思疎通を図ることで、希望通りの社会貢献が実現しやすくなります。こうした準備を通じて、財産を未来に託す安心感が得られます。

    遺贈寄付の手続きは、遺言書の作成が基本です。自筆証書遺言、公正証書遺言など、法的効力のある形式で寄付の内容・寄付先を明記しましょう。また、遺贈寄付に関する相談窓口や専門家に事前に相談することで、家族への配慮や税制面での最適化も図れます。家族や信頼できる専門家と話し合いながら進めることが、トラブル防止の近道です。

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