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遺言で相続人の一人に全財産を引き継がせる方法|遺留分や負債の相続に注意

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遺言で相続人の一人に全財産を引き継がせる方法|遺留分や負債の相続に注意

遺言で相続人の一人に全財産を引き継がせる方法|遺留分や負債の相続に注意

2026/02/19

特定の相続人にすべての財産を相続させる遺言書を書く場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか?

大阪市でも、相続をめぐって「相続人の1人に全財産を託したい」というケースは決して珍しくありません。しかし遺言の内容によっては、他の相続人による遺留分請求や対立が生じてしまうリスクがあるほか、借金も含めて相続される点にも十分な注意が必要です。

本記事では、こうした複雑な相続の事情を踏まえ、具体的な遺言書の書き方や想定されるトラブルへの備え方、法律面や実務面で押さえておくべきポイントを解説します。

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遺産整理、遺言、生前贈与、家族信託など、相続と生前対策に関するお手続きに幅広く対応しております。
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目次

    遺言書の役割と効果

    ● 遺言とは

    遺言書は、自分の死後に、自分が遺す財産や負債を、誰に・どのように引き継ぐかを指定するための文書です。

    遺言書がない場合、相続は民法に基づく法定相続分で進められるほか、相続人全員による遺産分割協議によって進められます。一方で、遺言書があればその内容が優先されるため、遺言者本人の意思を反映した柔軟な財産の分配が可能になります。特に、「相続人のうち特定の誰かに相続させたい」「不動産と預金を別の人に分けて相続させたい」「相続人以外の第三者に遺贈したい」といった場合には、遺言書の作成が有効です。

    ただし、「とにかく書けばいい」というわけではなく、遺言書の作り方は法律で決められています。そのとおりに作らなければ有効となりませんし、形式不備があると、その遺言の有効性を争って相続人同士で揉めてしまうリスクもあります。

    内容と形式、どちらにも気をつけなければならないのが遺言書なのです。

    ● 遺言書の種類

    遺言書にはいくつかの種類がありますが、主に選ばれるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

    自筆証書遺言は本人が全文・日付・署名を自筆で書く形式の遺言です。費用がほとんどかからず手軽に作成できますが、形式不備や紛失のリスクがある点に注意が必要です。

    一方、公正証書遺言は公証役場で公証人の立会いのうえで作成する公的な遺言です。法律上の不備を防げるうえ、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんのリスクが低く安心です。ただし、証人2名の立会いや手数料が必要になる点も押さえておきましょう。

    ● 遺言書の形式の選び方

    大阪市ではアクセスのよい公証役場も多く、どちらの形式も選択可能ですが、どちらの遺言方式を選ぶべきかは、ご自身の財産内容や家族構成、将来のリスクへの備えによって異なります。たとえば、財産が少額で相続人が限られている場合は自筆証書遺言でも十分なケースがあります。一方で、不動産や預貯金が多く、相続人が複数いる場合や、特定の相続人に配慮したい場合は公正証書遺言の方が安心です。

    自筆証書遺言は手軽に作成できますが、内容不備による無効リスクや、保管・発見の難しさが課題です。公正証書遺言は費用と手間がかかりますが、公証人が内容をチェックし、形式面での不備や紛失の心配がありません。遺留分侵害による請求リスクや家族間トラブルを防ぎたい場合は公正証書遺言が推奨されます。

    迷ったときは、相続の専門家に相談するのが確実です。大阪市内にも無料相談窓口や司法書士事務所が多数あり、個別事情に応じたアドバイスを受けられます。判断基準としては、「形式の確実性」「費用と手間」「保管・発見のしやすさ」「家族間トラブル予防」の4点を比較し、ご自身にとって最も納得できる方法を選びましょう。

    ● 各方式のメリット・デメリット

    自筆証書遺言の最大のメリットは、費用がほとんどかからず、いつでも自分の意思で作成・修正できる点です。しかし、書き方に不備があると無効になるリスクや、遺言の存在が発見されない、もしくは紛失・改ざんされる危険性もあります。特に全財産を特定の相続人に託す場合、他の相続人との対立を招きやすく、遺留分をめぐるトラブルにも注意が必要です。

    一方、公正証書遺言は公証人が作成・保管し、内容や形式面での不備が生じにくいのが大きなメリットです。検認手続きが不要で、相続開始後の手続きがスムーズに進みやすい反面、作成には証人2名と一定の費用が必要となります。また、内容を公証人や証人に知られることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。

    両方式とも、自身の財産状況や推定相続人を正確に把握したうえで作成する必要があります。いずれの方式を選ぶ場合でも、専門家に相談し、ご自身や家族の状況に合った最適な方法を選択することが重要です。

    相続人の一人にすべての遺産を相続させるために

    ● 相続人の1人に全財産を相続させる遺言は可能

    遺言では、自分の財産や負債を誰に相続させるかを指定することができます。そのため、相続人の1人に全財産を相続させる遺言も、当然可能です。

    具体的な書き方として、遺言書中に「遺言者は、長男○○にすべての財産を相続させる」などと明記すれば、その内容は有効となります。あわせて「遺言執行者として、前記○○を指定する」として、その人を遺言執行者に指定しておくと、その人だけで相続手続きが可能となり、手続きの負担が大幅に軽減できます。大阪市でもこのようなケースは実際に多く見られ、遺言の有無が相続手続きのスムーズさを大きく左右しています。

    ● 1人の相続人に相続させるメリット

    相続人1人に遺言で全財産を託す最大のメリットは、希望通りの財産承継が実現しやすく、相続人間の遺産分割協議が不要になる点です。

    • 子どものなかでも特によくしてくれた長女に全財産を渡したい
    • 家業を継いでくれる長男に全財産を残したい
    • 兄弟姉妹が相続人になるのを防ぐため、配偶者にすべて相続させたい

    といった希望があるとき、その内容を遺言書に落とし込めば希望が叶えられます。

    また、相続人がたくさんいる場合や、相続人同士で遺産分割がまとまりそうにない場合にも、身近な相続人に相続させておくと手続きがスムーズに進みます。

    相続人のうちの1人に全財産を相続させるのは、家族構成が複雑な場合や、特定の相続人に財産を集約したい場合に有効な手段といえるでしょう。

    ● どの種類にも共通する遺言書作成の流れ

    ここで、具体的に1人の相続人にすべての財産を相続させる遺言書をどのように作ればよいかをみていきましょう。

    自筆証書遺言と公正証書遺言は作り方が異なりますが、どちらの場合であっても遺言書自体の作成方法には共通している部分があります。

    まず、遺言書の作成は、自分の財産や負債を把握するところから始まります。このとき、現預金や不動産、株式はもちろん、ローンの残債や保険など、自分が死んだ後に残るものの全体像を把握することが大切です。

    次に、自分の相続人が誰かを確認しましょう。詳しくは後述しますが、相続人であっても、特定の相続人に多くの財産を残す場合、遺留分や負債の相続など、いくつかの注意点があります。そのような注意点を正しく考慮するためにも、相続人を知っておくことは重要です。

    状況が把握できたら、どの形式で遺言書を作るかを決めて、実際に遺言書を作成してみましょう。

    ● 自筆証書遺言での書き方

    自筆証書遺言は、全文を遺言者自ら手書きする遺言書ですが、法律で定められた形式を守らなければ無効となる可能性があります。具体的には、以下のような形式です。

    • 署名や日付、本文はすべて手書きで書く(ただし、財産目録は自書不要)
    • 作成日を明確に書く(「吉日」はNG)
    • 署名の後に捺印する(複数枚にわたる場合には契印が必要)

    このような点に注意すれば、自筆証書遺言は自宅でも簡単に作れます。

    しかし、形式不備があれば無効になるリスクもありますし、書いた後の保管方法によっては自分の死後に発見してもらえないといったリスクもあるので、法務局への保管制度の利用の検討も含めて、不安がある場合には専門家への相談を検討することが失敗を防ぐポイントです。

    ● 公正証書遺言での書き方

    公正証書遺言を作るには、公証役場に必要な資料を提供して、公証人に遺言書の案文を作成してもらいます。法の専門家である公証人が関与しながら作成するため、法的な有効性が高く、相続手続きの際に検認が不要な点も大きなメリットです。大阪市内には複数の公証役場があり、アクセスしやすい点も大きな特徴です。

    財産の一覧を提示すれば財産目録も作成してもらえるため、相続させたい財産の種類が多い場合にも便利でしょう。

    そして案文が完成すると、公証役場に行く日を案内されますので、予約を取って公証役場に行きます。その際、証人2名を準備する必要がある点に注意してください。作成当日には、公証人の面前で内容を確認し、証人とともに署名・押印を行い、公正証書遺言を完成させます。

    近年はオンラインでの作成や電子署名も可能であり、一部の公証役場では出張にも対応しているので、対面での手続きに不安がある場合には公証役場に相談してみましょう。

    相続財産を偏らせる際の注意点

    ● 遺留分を侵害するリスク

    相続人の1人に全財産を相続させる際に最も重要なポイントは、他の相続人の遺留分に配慮することです。

    遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に最低限保障される財産取得分を指します。遺言書によって全財産が特定の相続人に遺贈された場合でも、他の法定相続人には遺留分として一定割合の財産を請求する権利があるのです。

    遺留分は、遺言の内容による極端な不公平や相続人の生活困窮を防ぐことを目的とした制度です。特に都市部である大阪市のように多様な家族構成や財産内容が絡むケースでは、遺留分が活躍する場面も多く見受けられます。

    つまり、「1人の相続人にすべての遺産を相続させる」という遺言を書いた場合であっても、遺留分を請求されると、その一部が無効になる可能性があるのです

    ● 遺留分の計算方法

    遺留分の基本的な計算方法は、以下の2通りです。

    • 配偶者または子がいる場合:相続財産全体の1/2×各相続人の法定相続分
    • 親(直系尊属)のみが相続人である場合:相続財産全体の1/3×各相続人の法定相続分

    たとえば、相続財産が6,000万円で配偶者と1人の子どもがいる場合、相続財産の1/2は3,000万円であり、配偶者と子の法定相続分はそれぞれ1/2ずつなので、各自の遺留分は3,000万円×1/2=1,500万円となります。

    つまり、相続財産の総額をまず算出し、そこに遺留分割合をかけることで、各相続人が最低限保障される取り分を求めることができるのです。遺留分トラブルを防ぐためにも、事前にこの計算方法を理解し、遺言書作成時や遺産分割協議時に確認しておくことが重要です。

    なお、遺留分の計算には、被相続人が生前に行った贈与や特別受益も考慮されるため、単純に遺産目録の合計額だけで判断せず、専門家への相談もおすすめです。

    ● 遺留分を請求されるリスクを軽減する方法

    このような遺留分を請求されるリスクを軽減するには、どうすればよいのでしょうか。

    遺言書と遺留分のどちらが優先されるかは多くの方が疑問に思う点ですが、法律上は遺留分が優先されます。つまり、遺言書で「全財産を特定の相続人に遺贈する」と記載されていても、遺留分を侵害された相続人が請求すれば、その部分については遺言書よりも遺留分が優先して認められます。

    とはいえ遺言書の内容すべてが無効になるわけではなく、遺留分を超える部分については遺言書どおりに分配されます。そのため、最も有効な対策は、「すべての財産を1人に集中させることは諦めて、あらかじめ遺留分相当額を他の相続人に相続させる内容としておく」ことです。たとえば、A・B・Cの3人の子どもがいる場合、各人の遺留分は1/2×1/3=1/6なので、たとえAに全財産を残したい場合でも、B・Cに各1/6、Aには4/6の財産を残すようにすれば、あとから遺留分を請求されるリスクはなくなります。

    その前提として、遺留分の算定の基礎となる相続財産を減らすためにも、「あらかじめ財産を贈与しておく」という手段も有効です。さきほどの例では、あらかじめAに財産を贈与しておくことで、相続財産が減り、B・Cに渡す「相続財産の1/6」の額が抑えられます。

    このように、相続人の一部に財産を偏らせる場合には、遺留分のリスクを軽減する措置を検討すべきでしょう。

    ● 負債を相続させてしまうリスク

    遺留分以外にも、財産だけでなく負債も相続させてしまうというリスクも無視できません。

    すべての財産を1人に相続させると、遺産として残された財産だけでなく、故人が生前に抱えていた借金も一括してその人に引き継がれる仕組みとなっています。大阪市で遺言により特定の相続人に全財産を託す場合、その相続人がプラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金)も全て承継することになる点に注意が必要です。

    たとえば、預貯金や不動産などの資産が多くても、住宅ローンや消費者金融からの借入れが残っている場合には、これらも自動的に対象となります(ただし、団体信用生命保険の対象となっている住宅ローンなど、亡くなると同時に完済されるローンもあります)。遺言書で「すべての財産を相続させる」と明記した場合、相続人は資産だけでなく負債も引き継ぐため、事前に財産目録に財産と負債の内容を一覧化するなどの方法で、自分の財産と負債をしっかりと把握し、リスクを見極めることが重要です。

    ● 相続手続きが滞るリスク

    また、相続手続きが滞るリスクも考慮する必要があります。

    遺言で相続人の1人に全財産を相続させるとしていたとしても、実際に相続させるには、戸籍の収集や各財産の名義変更(銀行預金の解約、株式の移管、相続登記等)の相続手続きが必要です。

    この相続手続きは、以下のどちらかの手段で進めていくことになります。

    • 相続人全員で協力して行う
    • 遺言執行者が代表して行う

    つまり、遺言執行者が指名されていなければ、相続人全員の実印による押印といった協力が必要となる場面が訪れるのです。そうなると、「財産をもらえないのになぜ協力しなければいけないのか」という不満を感じる相続人が現れるおそれもあり、相続手続きが滞るリスクが高くなります。

    このような事態を避けるためにも、遺言書を書く際には、遺言執行者の指定も忘れずしておきましょう。なお、遺言書に記載がなくとも後から家庭裁判所に「遺言執行者選任の申立て」をして遺言執行者を就任させることができますので、一部の相続人しか財産を受け取らないようなケースでは、就任させることをおすすめします。

    不公平だと感じた他の相続人ができること

    ● 遺言の内容に不満がある相続人ができること

    遺言ですべての財産をもらった相続人が相続手続きをする際、遺言書の内容を他の相続人に秘密にすることはできません。「遺言執行者がいれば相続人の協力がなくとも手続きが進められるから、内容を秘密にできるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、実際には、遺言を執行する前に、相続人全員に遺言執行者就任通知をして、「相続が始まったこと・通知の受取主が相続人であること・自分が執行者であること・遺言執行者の連絡先」などを相続人全員に知らせなければなりません。つまり、相続が始まったことを秘密にしておくことはできないのです。

    それでは、この通知を受け取った他の相続人が遺言の内容に不満を覚えたとき、どのような行動がとれるのでしょうか。

    代表的な対応は以下の3つです。

    • 遺産分割協議の要求
    • 遺留分侵害額請求
    • 遺言無効確認請求訴訟

    以下に、それぞれの対応を紹介します。

    ● その1:遺産分割協議の要求

    不満がある相続人は、財産を受け取る相続人に遺産分割協議の実施を要求することができます。

    遺言書があれば原則遺産分割協議は不要ですが、相続人や受遺者といった関係者全員の合意があれば、遺産分割協議をして、財産の分配をやり直すことができます。

    相続人全員の合意が必要なので、もともと財産を受け取る予定だった相続人は要求を拒否することも可能です。

    ● その2:遺留分侵害額請求

    遺留分を侵害された相続人は、相続開始および遺留分侵害を知った日から1年以内、または相続開始から10年以内であれば、遺留分侵害額請求をすることができます。

    遺留分を請求したい相続人は、まず、被相続人の遺言書や生前贈与の内容を確認し、自身の遺留分がどれだけあるかを計算します。財産には、不動産や預貯金など多様な種類があり、評価方法も様々なので、専門家に相談しながら進めるのが安心です。

    注意点として、遺留分請求は「遺留分侵害額請求」として行う必要があり、単なる口頭の申し出ではなく、相手方に内容証明郵便など書面で正式に通知するのが一般的です。

    しかし、弁護士を通さずに交渉してしまうことで、その後の裁判で不利になることもありますので、話し合いで済みそうにない場合には迷わず弁護士に相談することが推奨されます

    ● その3:遺言無効確認請求訴訟

    相続人は、「そもそもその遺言書が有効かどうか」を争うことも可能です。

    遺言書が無効とされる理由としては、以下のようなものが挙げられます。

    • 遺言能力の欠如(「遺言を書いたときに認知症であった」など)
    • 形式不備(「自筆証書遺言の形式に不備がある」など)
    • 遺言書が偽造、変造されている
    • 詐欺や強迫によって無理に書かされた

    この争いをするには、無効を主張する側が、遺言が無効である証拠を用意しなければなりません。費用や時間もかかりますが、このような手段があることも把握しておきましょう。

    生前贈与との合わせ技でできる対策

    ● 遺言書は相続争いの原因にもなり得る

    遺言書は遺言者の意思を反映するための有効な手段ですが、上記の3つの手段からもわかるように、遺言書の存在が相続争いに発展するケースも多く見られます。

    遺留分の請求や遺言無効確認請求訴訟は正当な手段ではありますが、相続人同士でこのような事態に発展した場合、感情的な対立やその後の不和は避けられないでしょう。

    相続人の1人に全財産を残したいような場合において、このような相続争いを避けたいのであれば、以下のような点に気をつけてください。

    ● 対策1:形式的不備のない遺言書を作る

    まずは、形式的不備のない遺言書を作ることが重要です。

    遺言書の形式に不備があると、「この遺言で大丈夫なのか?」「誰かが捏造したのではないか?」という心配や疑念につながります。

    正確な遺言書の作成は、争いのない相続手続きの前提ともいえるような重要なことなのです。

    ● 対策2:事前に他の相続人にも話しておく

    遺言によって1人に全財産を託す場合、他の相続人に対する配慮が欠かせません。感情的な対立を避けるには、遺言内容を事前に家族へ説明し、理由や思いを丁寧に伝えておくことが大切です。もちろん、疎遠な相続人にまで無理に話をする必要はありませんが、身近な方には丁寧な対応が推奨されます。

    突然の遺言によって、残された家族が驚きや不満を感じることも多く、遺留分請求や法的対立に発展するケースもあります。できれば生前に家族会議を開き、意思や経緯を共有することで、誤解や不信の芽を摘むことができます。

    「なぜこの人に託すのか」「他の家族にも配慮しているのか」など、具体的な説明を加えることで、相続人全員が納得しやすくなります。このような話合いの際には、弁護士や司法書士といった専門家にアドバイスを求めることも有効です。

    ● 対策3:生前贈与をするなど、遺留分対策をする

    とはいえ、実効的な予防策としてはやはり、先述のような遺留分対策が重視されるでしょう。

    • 生前贈与によって遺留分の対象となる財産を減らす
    • 他の相続人に遺留分相当額を相続させる

    という2つの手段で、想定外の遺留分の請求を防止することができます。

    ただし、生前贈与については亡くなる10年以内に行われた分については相続財産に持ち戻されますので、早めの対策を心がけてください。

    また、遺言書を一度作成した後も、定期的な内容の確認と見直しが重要です。家族構成や財産状況が変化した場合、以前の遺言が現状に合わなくなることがあるため、最新の意思を反映できるようにしておく必要があります。特に大阪市のように不動産や預貯金が複数ある場合、財産の増減や新たな借金の発生により、遺言書の内容が現実と異なってしまうことが少なくありません。遺言内容と現状の相違がトラブルの原因となるため、数年ごとの見直しが推奨されます。

    見直しの際は、相続人全員の立場や遺留分にも配慮し、万一の争いを未然に防ぐ工夫が求められます。必要に応じて、専門家によるチェックも活用しましょう。

    まとめ

    相続の場面で「家族の誰か1人にすべての財産を託したい」と考える方は、大阪市でも多くいらっしゃいます。実際、遺言書によって相続人の1人に全財産を相続させることは、法律上可能です。しかし、その際には家族間の対立やトラブルを未然に防ぐ工夫が欠かせません。

    たとえば、家業を継ぐ子どもに全財産を相続させたい場合、他の相続人から遺留分請求がなされる可能性や、相続財産に借金が含まれるリスクも考慮しましょう。また、他の相続人から不満が生じないよう、遺言の内容とその理由を事前に伝えておくことも大切です。

    個別具体的なトラブル防止策が気になる場合には、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

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