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任意後見とは? 制度の仕組みや法定後見との違い、選び方をわかりやすく解説

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任意後見とは? 制度の仕組みや法定後見との違い、選び方をわかりやすく解説

任意後見とは? 制度の仕組みや法定後見との違い、選び方をわかりやすく解説

2026/01/13

成年後見制度のなかでも、法定後見と任意後見の違いについて悩んだ経験はありませんか?

高齢化が進む現代社会では、認知症や判断能力の低下に備えた法的保護が必要な場面が増えています。そんな場面に対応するための成年後見制度は大きく「法定後見制度」と「任意後見制度」にわけられますが、これらの制度は内容や違いが分かりづらく、どちらを選んだら良いのか迷いがちです。

本記事では、法定後見制度と任意後見制度の概要から、後見人の権限や選び方、費用や監督体制に至るまで、両制度の異なるポイントをわかりやすく解説します。それぞれの制度をしっかり理解し、自分や大切な家族の将来に最適な選択ができる知識を得られる価値ある内容となっています。

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目次

    判断能力低下に備える成年後見制度の基礎知識

    成年後見制度の目的と必要性を理解しよう

    ● そもそも成年後見制度とは?

    成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない方を法律的に保護するために設けられた制度です。高齢化社会が進む中で、本人や家族が安心して生活できる環境を整えることが求められています。

    この制度の主な目的は、判断能力が不十分な方の財産や権利を守り、不利益を被ることを防ぐことにあります。例えば、日常生活における各種支払いや、通帳・実印等の管理、契約行為等を代行します。

    成年後見人は家庭裁判所とともに本人の財産管理と身上監護を行い、本人の財産や生活に関する権利を法律的に守ります。

    成年後見制度が高齢者の権利を守る仕組み

    ● 法定後見制度と任意後見制度

    このような成年後見制度には、大きくわけて「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つの種類があります。これら2つの後見制度は「本人の権利を守る」という共通の目的を掲げていますが、制度の仕組みや後見人の権限、柔軟性など、多くの点で異なります。

    最も大きな違いは「後見人の選び方」であり、法定後見制度の場合は家庭裁判所が後見人を選任する一方、任意後見制度では本人が元気なうちに信頼できる人を自分で選び、公正証書で任意後見契約を結ぶことで始まります。

    どちらの制度も本人の老後を支えるものでり、それぞれの仕組みを知ることが将来の安心につながります。大阪市では、成年後見センターや家庭裁判所後見センター、各区の成年後見支援センターなどの相談窓口が充実しています。専門家の意見を早めに活用し、ご自身やご家族の状況に合った制度選択を心がけましょう。

    成年後見制度の利用が進む背景とは何か

    ● 成年後見制度を安心して利用するために

    成年後見制度を利用する際には、制度の内容や手続き、後見人の権限範囲を正しく理解することが重要です。特に任意後見契約では、その名のとおり当事者の「任意」による部分も大きいので、契約内容が曖昧だと後のトラブルにつながるリスクがあります。

    成年後見人の責任範囲は、家庭裁判所の決定や後見制度の種類(法定後見・任意後見)によって異なりますが、本人の財産や権利を適切に管理・保護することが大前提として義務付けられています。万が一、後見人が本人の利益に反する行為をした場合は、損害賠償責任を問われることもあります。

    不安な点があれば、制度利用前に積極的に公的な窓口や司法書士等の専門家に相談し、情報収集をしておきましょう。

    法定後見と任意後見の制度の概要を詳しく確認しよう

    成年後見人の主な役割と責任範囲を解説

    ● 2つの制度の違い

    成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。両者の最大の違いは、制度を利用するタイミングや後見人の選定方法、後見人の権限設定にあります。法定後見は本人の判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選任し、法律で定められた範囲内で支援が行われます。

    一方、任意後見は本人が元気なうちにあらかじめ契約を結び、信頼できる人を後見人として指定できます。これにより、本人の意思をより反映した後見体制を準備できるのが特徴です。

    以下に、各制度の概要を紹介します。

    任意後見人と法定後見人の権限の違いとは

    ● 法定後見制度の概要

    法定後見制度(一般に、後見といえばこちらを指します。)とは、すでに判断能力が低下している方のために、家庭裁判所に申し立てて成年後見人等を選任してもらう制度です。
    ※ 判断能力の低下度合いにあわせて、後見・保佐・補助の三段階がありますが、この記事では後見を前提として解説します。

    この申立ては、本人からするほか、本人の配偶者や四親等内の親族、市区町村等から行うことができます。申立てにあたっては、本人に後見人が必要なことを示す医師の診断書や、本人の家計の状況や資産の状況を示す資料が必要であり、家庭裁判所は、これらの資料を審査して、後見人が必要かどうかを判断します。

    この申立ての結果、後見人が必要と判断されると、家庭裁判所は、後見人を誰にするかを選任します。一般的には司法書士や弁護士などの専門家が選任されますが、申立て時に親族などを後見人の候補者として推薦していれば、その人が選ばれることもあります。また、親族が後見人に選任された場合でも、家庭裁判所の判断により後見監督人として専門家が選任されることもあります。

    こうして選ばれた後見人は、本人の法定代理人として、財産管理や法律行為の代理、本人の身上監護を行います。法定後見による後見人の職務内容は法律で定められており、かなり強力な権限が与えられているのです。

    成年後見制度における後見人選任のポイント

    ● 任意後見制度の概要

    任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、信頼できる人(=任意後見人)に生活や財産の管理を委ねる契約を事前に締結しておく制度です。

    契約は本人が元気なうちに締結しておき、実際に判断能力が落ちて後見人が必要になった段階で効力が発生(=後見が開始)します。「任意」という言葉のとおり、第三者から申し立てるのではなく、本人の意思で契約するのです。

    そして最大の特徴は、「家庭裁判所ではなく、本人が後見人となる人を選ぶ」という点です。自分が信頼できる人を選ぶことができ、家族などの身近な方の負担を減らすこともできるため、将来の不安に備えたい人に適しています。

    契約後、本人の判断能力が落ちたら、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。任意後見監督人とは、任意後見人を監督する立場の専門職です。これによって、本人の財産や法律上の権利は、任意後見人と任意後見監督人が二重に監視することになります。

    成年後見監督人が果たす役割と重要性

    ● 最も大きな違いは「後見人の選び方」

    法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選任します。申立人が候補者を推薦することはできますが、最終決定権は家庭裁判所にあり、候補者以外の人(司法書士や弁護士等の専門職など)が選任されることもあります。特に、財産が多額である場合や親族間に争いがある場合は、専門職後見人が選任される可能性が高くなります。

    一方、任意後見制度では、本人が自分で後見人を選ぶことができます。信頼できる親族、友人、専門家等、誰を後見人にするかを自由に決められるのです。ただし、未成年者や破産者など、一定の欠格事由に該当する人は後見人になれません。

    適切な後見人を選ぶためには、候補者の信頼性や専門性、本人との関係性を総合的に判断し、必要に応じて大阪家庭裁判所後見センターや成年後見センターなどの相談窓口を活用しましょう。

    任意後見と法定後見の違いを理解するポイント

    任意後見と法定後見の基本的な違いを解説

    ● 利用するタイミングの違い

    2つの制度は、利用するタイミングに違いがあります。

    法定後見制度は、すでに判断能力が低下している方が利用する制度です。認知症が進行してしまった、事故で意識不明になった等、判断能力が低下した、またはなくなった状態になってから家庭裁判所に申し立てます。要するに、任意後見制度は、契約を結んだだけではすぐに効力が発生せず、本人の判断能力が実際に低下し、家庭裁判所で任意後見監督人が選任された時点で初めて発効するのです。

    一方、任意後見制度は、まだ判断能力がしっかりしているうちに契約を結んでおく制度です。「将来に備えて準備しておく」という性格の制度であり、判断能力が低下してからでは利用できません。

    成年後見制度における任意後見とは何か

    ● 後見人の権限

    さらに、後見が開始した後の後見人の権限にも違いがあります。後見人の主な業務は「財産管理」と「身上監護」ですが、法定後見制度と任意後見制度では、後見人に与えられる権限が大きく異なるのです。

    法定後見では、後見人にすべての法律行為の代理権と取消権(ただし、日常生活に関する行為を除く。)が与えられます。代理権とは、本人に代わって契約等の法律行為を行う権限です。後見人は、本人に代わって不動産の売買、預貯金の管理、介護契約の締結等を行えます。取消権とは、本人が行った不利益な契約を取り消す権限です。例えば、本人が詐欺業者と結んだ不要な契約を、後見人が取り消すことができます。ただし、日用品の購入など、日常生活に関する行為については取消権の対象外です。

    そして任意後見では、後見人に代理権のみが与えられます。さらに、代理できる行為も、任意後見契約で定めた範囲内のものに限られます。重要なのは、任意後見人には取消権がないという点です。本人が行った不利益な契約を、任意後見人が取り消すことはできません。これは任意後見制度の大きな制約といえます。もし取消権が必要な場合は、任意後見契約とは別に、法定後見の申立てを行う必要があります。

    任意後見が選ばれる理由と活用場面

    ● 監督体制の違い

    法定後見制度では、後見人は家庭裁判所の監督を受けます。後見人は定期的に家庭裁判所に報告書を提出し、財産状況や本人の生活状況を報告しなければなりません。また、重要な財産行為(不動産の売却等)については、家庭裁判所の許可が必要です。なお、親族が後見人に選任された場合や財産額が多い場合には、家庭裁判所が「後見監督人」を選任することがあります。後見監督人は後見人の仕事を監督し、本人の利益を守る役割を担います。

    そして任意後見制度では、先述のとおり、「任意後見監督人」が必ず選任されます。任意後見監督人は、任意後見人の仕事を監督し、定期的に家庭裁判所に報告します。任意後見は本人と後見人の契約に基づく私的な関係であるため、監督人による監督が必須とされているのです。

    法定後見との違いからみる任意後見の利点

    ● 後から法定後見に移行することも

    任意後見制度を利用していた場合でも、状況の変化によって法定後見制度への移行や切替えが必要となることがあります。たとえば、任意後見人の権限を超えるような行為や、契約内容だけでは対応が難しい事態が発生した場合、家庭裁判所に申し立てて法定後見へ移行することが検討されます。

    この切替え時には、後見人の選任基準や監督体制、費用負担が異なるため、事前に十分な情報収集と相談が重要です。任意後見人や任意後見監督人、管轄の家庭裁判所に事前の相談をすることをおすすめします。

    2つの制度の選択の基準

    成年後見制度と任意後見の費用比較ポイント

    ● 費用について

    成年後見制度と任意後見制度の費用は、利用を検討する際に最も気になるポイントのひとつです。両者には費用構造や負担のタイミングに違いがあり、選択の際には注意が必要です。

    例えば、法定後見制度の場合、家庭裁判所への申立て費用や鑑定費用、成年後見人の報酬などが発生します。一方、任意後見制度では、公正証書による契約書作成費用、登記費用、任意後見監督人の報酬が主な費用項目です。

    特に任意後見は契約時にまとまった費用がかかり、発効後も監督人への報酬が継続的に発生します。法定後見は申立ての初期コストは抑えめですが、後見人の報酬が毎月または年単位で必要です。どちらを利用するにしても、事前の相談や費用のシミュレーションが大切です。

    成年後見制度の監督体制と任意後見監督人の役割

    ● 終了の方法にも違いがある

    法定後見制度は、本人が亡くなるか、判断能力が回復するまで続きます。途中で終了させることは原則としてできません。後見人を解任できるのは、後見人に不正があった場合等、限られたケースのみです。

    一方、任意後見制度は、任意後見監督人が選任される前であれば、いつでも契約を解除できます。ただし、解除には正当な理由が必要で、公証人の認証を受けた書面で行う必要があります。任意後見が開始した後(監督人選任後)は、法定後見同様、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除できます。

    後見制度選択時のコストと手続きの違い

    ● どちらを選ぶべきか

    これまで両制度の違いを紹介しましたが、このような違いを踏まえたうえで、法定後見と任意後見のどちらを選ぶべきかを整理すると、以下のようになります。

    ・法定後見がおすすめのケース:既に本人の判断能力が低下している場合には、任意後見契約を結ぶことができないため、法定後見を選ぶことになります。また、本人が詐欺契約や不要な契約を結んでしまっている場合には、取消権のある法定後見が有効です。

    ・任意後見がおすすめのケース:「後見人を自分で選びたい」「後見人の権限や報酬を自分で決めておきたい」という方には、任意後見が有効です。また、身寄りの親族がいない方等、任意後見契約を締結しておくことで安心感を得たいという方にもおすすめできます。

    他にも費用や監督方法などの細かな違いはありますが、まずはこのような観点で検討するとよいでしょう。ご自身のケースにはどのような制度を利用するとよいのか、不安のある方はお気軽に専門家までお問い合わせください。

    まとめ

    法定後見人と任意後見人の最も大きな違いは、その権限の決定方法にあります。

    法定後見人は家庭裁判所が選任し、法律や裁判所の判断に基づいて後見人の権限が決まります。業務範囲も法律で厳格に定められており、本人や家族の希望を反映しづらい場合があります。一方、任意後見人は本人が元気なうちに契約で権限内容を細かく定めることができるため、自分の希望を反映した柔軟な後見体制が築けます。

    たとえば、日常生活の細かい支援や特定の資産管理など、任意後見では個別に指定できる内容も、法定後見では一律の運用になることが多いです。

    このため、「信頼できる人に自分のことを任せたい」「具体的な希望を反映したい」という方は任意後見を選ぶケースが多く、判断能力がすでに低下している場合や緊急対応が必要な場合には法定後見が選ばれやすい傾向があります。

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