相続手続中に相続人が亡くなったら? 数次相続となった場合の遺産分割や相続登記、相続税申告の注意点を徹底解説
2025/12/11
相続手続きを進めている最中に、相続人がさらに亡くなってしまう数次相続という状況、ご存知でしょうか?
大阪市のような都市部では、家族構成が多岐にわたることでこうした複雑な相続問題が発生しやすく、遺産分割や相続登記、相続税の申告時期の調整が難航するケースも少なくありません。
本記事では、実際に数次相続が起こった際にまず行うべき対応から、遺産分割協議や相続登記、税務申告まで一連の流れや要注意ポイントを、現場の経験や最新の法令をもとにわかりやすく解説します。正しい手順や注意点を知ることで、関係者間のトラブルを防ぎ、スムーズな手続きを実現できるでしょう。
目次
相続の基本と数次相続の仕組み
数次相続で遺産分割が複雑化する理由
● 相続の基本から学ぶ数次相続
相続手続きでは、亡くなった人を被相続人、その財産や負債等の権利義務の一切を引き継ぐ人を相続人と呼びます。
誰が相続人になるかは法律で決まっていて、配偶者がいれば配偶者は必ず相続人となり、その他は子 → 親 → 兄弟姉妹の順で相続人となります。さらには子が先に亡くなっていれば孫が、兄弟姉妹が先に亡くなっていれば甥姪がそれぞれ相続人となります。
そして一般に、相続手続きとは被相続人名義の財産等を相続人の名義に移す手続全般を指します。そのため相続手続きにおいて、「被相続人は誰か/いつ亡くなったか/相続人は誰か」という点は、手続きの根幹となる最も重要な部分なのです。
これらの重要な事項のうち、「被相続人は誰か/いつ亡くなったか」という点は変わりようがありません。しかし、「相続人は誰か」という点は、手続きの途中で変わることがあります。具体的には、手続きの途中で相続人が亡くなってしまうようなケースです。このような状況を「数次相続」と呼びます。
例えば、父・母・子・孫がいる家族で、父が亡くなり、母と子が相続人になったとします。この手続きの最中に子が亡くなると、父の財産を相続する権利は子から孫に引き継がれ、孫が新たな相続人となります。ちなみにこのようなケースにおいて、父が亡くなったことを「一次相続」、子が亡くなったことを「二次相続」と呼びます。
このように、数次相続が発生すると、複数の相続手続きを同時進行で行うことになるため、手続きが一気に複雑になるのです。さらにはご家族の心理的負担や生活の変化も大きくなるため、その負担は一層大きく感じられるでしょう。
相続人死亡により数次相続が生じる流れ
● 数次相続が起きるとどうなるのか
数次相続とは、相続手続き中に相続人がさらに亡くなり、複数の相続が連続して発生する状況を指します。大阪市のような都市部では、家族構成が多様化しているため、数次相続が発生しやすい傾向があります。こうしたケースでは、遺産分割協議の対象となる相続人が増えたり、相続人の関係が複雑になったりすることが多いです。
遺産分割協議を進める中で新たな相続人が加わると、協議のやり直しや財産の再確認が必要となり、手続き全体が長期化・煩雑化しやすくなります。例えば、一次相続の遺産分割が済んでいない段階で相続人が亡くなった場合、新たな相続人を含めて協議を行う必要が生じます。また、戸籍収集や相続関係説明図の作成も複数世代にわたるため、必要書類の数や確認事項が増加します。
このように、数次相続では相続手続き全体が大幅に複雑化するため、専門家への早めの相談や事前準備が特に重要です。
数次相続の遺産分割協議書作成時の注意点
● 新たに亡くなった相続人の財産にも手続きが必要
相続手続きの途中で相続人が亡くなると、元の被相続人の遺産分割に加え、新たに亡くなった相続人の財産についても相続(数次相続)が発生します。これにより、当初の相続人が受け取るはずだった財産分についても、さらにその相続人の法定相続人に受け継がれることになります。
例えば、父親が亡くなり子ども2人が相続人だった場合、遺産分割協議中にそのうちの1人が亡くなると、残された子と亡くなった子の配偶者や子どもが新たな相続人として加わります。その結果、協議や手続きの対象者となる財産が増え、関係者間の調整や合意形成がさらに困難となるのが実情です。
このような流れは、遺産分割協議書の作成や相続税申告、相続登記にも大きな影響を及ぼすため、数次相続を見越した対応が求められます。手続きの進行状況や各相続人の状況を常に把握し、早めに必要書類を揃えることがトラブル回避の鍵となります。
数次相続と法定相続分の基本知識を解説
● 数次相続と遺産分割
数次相続が発生した場合、遺産分割協議書には全ての相続人が参加し署名・押印する必要があります。一次相続と二次相続が重なることで、協議書作成時に必要となる相続人の範囲が広がり、署名・押印漏れや記載ミスが発生しやすくなるため注意が必要です。
各相続人の法定相続分については、一次相続・二次相続ごとに個別に計算する必要があります。例えば、最初の被相続人の財産についてはその相続人で法定相続分を決め、次いで亡くなった相続人の財産分はさらにその法定相続人で分け合う形となります。この計算を誤ると、遺産分割協議や相続税申告、相続登記に支障が出るため、最新の民法や相続税法に基づいた正確な知識が不可欠です。
また、相続人の中に未成年者や認知症の方がいる場合は、特別代理人の選任が必要となるケースもあります。加えて、相続放棄や代襲相続が絡む場合は、必要書類がさらに増え、書類が揃っていないと登記や税務申告が進められないため、慎重な確認が求められます。
大阪市内のように相続人が遠方に散らばっている場合、郵送手続きや連絡調整に時間がかかることも多いため、早めの段取りと専門家への依頼でトラブルを未然に防ぐことが重要です。
よくみられる数次相続のパターンを知る
数次相続発生時の相続人変更手続きとは
● パターン1:配偶者が続けて亡くなる
数次相続は相続が高齢の場合や相続手続きが長引いている場合に起こりやすくなっています。
具体的なパターンの1つ目は、配偶者が続けて亡くなる事例です。
配偶者は必ず相続人になりますが、通常は被相続人と同年代であることから、相続手続き中に立て続けに亡くなってしまうことも少なくありません。
ただし、夫婦に子どもがいれば、配偶者が亡くなったとしても子どもの相続分が増えるだけなので、大きな問題にはなりません。一方、子どもがいない夫婦については、配偶者の兄弟姉妹が新たに相続人となり、相続関係が一気に複雑になることもあります。このような事態を防ぐためにも、子どものいないご夫婦には、遺言書の作成をおすすめしています。
相続人死亡後の遺産分割協議の進め方
● パターン2:兄弟姉妹が相続人である
被相続人に子どもがおらず、かつ親がすでに他界していると、兄弟姉妹が相続人になります。そしてこの場合もパターン1と同様に、相続人が被相続人と同年代であることから、数次相続が起こりやすくなります。
相続人である兄弟姉妹が亡くなり、その相続人に子ども(被相続人の甥姪)がいると、その甥姪が新たに相続人になります。さらにはパターン1とは異なり、複数の家庭の相続手続きが同時に進むこととなるので、ご家族の負担が大きくなり得るでしょう。
数次相続で必要な法定相続情報一覧図の作成
● パターン3:遺産分割が長期にわたっている・長期間放置していた
相続人間で話がまとまらず、遺産分割が長期におよんでいる場合にも、数次相続は起こりやすくなります。相続手続きはスムーズにいけば数週間から数か月で終わるものですが、遺産の範囲が決まらなかったり相続人間で話し合いがまとまらなかったりすると、年単位の時間を要することも珍しくありません。このような場合には、相続人が亡くなって、数次相続が発生するリスクが高くなります。
また、長期間放置していた不動産などの名義変更をする場合にも、数次相続はつきものです。昭和以前の名義のまま放置された不動産の名義変更をしようとすると、数代前にさかのぼった相続登記が必要となることがあります。このような場合、数次相続が繰り返し発生し、相続人が数十人におよぶようなことも起こり得ます。
正確な相続登記手続きのポイントを解説
● 代襲相続との違い
数次相続とよく似た言葉に「代襲相続」があります。代襲相続とは、本来相続人となるはずだった人が、相続発生前に亡くなっている場合に、その亡くなった人の下の世代(子や孫)が代わりに相続する制度です。数次相続との違いをまとめると、以下のようになります。
・代襲相続:被相続人が亡くなる前に、すでに相続人が亡くなっている
・数次相続:被相続人が亡くなった後、立て続けに相続人が亡くなる
代襲相続と数次相続では相続人の決まり方も異なります。そして同時に、「誰が相続人となるか」は相続手続きの基本となる重要なポイントです。相続関係が複雑な場合は、手続きを始める前に専門家に確認することをおすすめします。
相続人が亡くなった場合の手続きの流れ
数次相続発生時の相続人変更手続きとは
● 数次相続が起きたらまず何をする?
数次相続が起きて葬儀等がひと段落したら、まずは新しい相続人を確定させましょう。ここで注意すべき点は、以下のとおりです。
・戸籍の調査時は、一次相続と二次相続を明確に分けて考える:数次相続における相続人を確定させるために戸籍を調査していると、つい一次相続と二次相続の相続人と混ぜて考えてしまいがちです。いきなり全体図を把握しようとするのではなく、まずは一次相続の相続人を確定させ、次に二次相続のみに注目して戸籍の調査を行うという意識で進めていくと間違いを減らすことができます。
・未成年者や判断能力に問題のある方(認知症や精神疾患の方)がいないかを確認する:数次相続が発生すると、新たに相続人となる方がでてきます。そのなかに未成年者や、認知症等によって判断能力に問題のある方が含まれていると、特別代理人や成年後見人の選任といった特別な手続きが必要となることがあります。そういった手続きが必要ないか、よく確認するようにしましょう。
相続人死亡後の遺産分割協議の進め方
● 戸籍整理のために法定相続情報の作成もおすすめ
数次相続が発生した場合、複雑になった相続関係を整理するためにも、法定相続情報一覧図の作成をおすすめします。法定相続情報とは、戸籍から読み取れる相続関係を一枚の家系図のようなものにまとめ、法務局の認証を受けた書類です。これは、相続関係を視覚的に整理し、誰がどの財産を相続する権利があるのかを明確にするのに役立ちます。
一覧図を作成するためには、被相続人から数次にわたる相続人全員分の戸籍謄本や住民票、除籍謄本などを集め、正確な家系図を作成する必要があります。一覧図の作成が完了すると、相続登記や相続税申告の際に同じ書類を使い回せるメリットがあります。反対に、一覧図がない場合は、各種手続きごとに戸籍一式を再提出する必要が生じ、手間が増加します。一覧図の作成時には専門家に依頼することで、書類不備や手続き遅延のリスクを最小限に抑えることができます。
数次相続で必要な法定相続情報一覧図の作成
● 遺産分割協議は2件分必要
数次相続が発生すると、原則として一次相続と二次相続のそれぞれについて遺産分割協議が必要となります(遺言書がある場合や法定相続分どおりに相続する場合には遺産分割協議は不要です)。
それぞれの遺産分割における対象の財産と参加者は以下のとおりです。
・一次相続(最初の相続)の遺産分割
対象の財産:一次相続の被相続人(最初に亡くなった方)の財産
参加者:一次相続の相続人&亡くなった相続人の相続人
具体例:父A・母B・子C・子の妻D・孫Eがおり、A→Cの順に亡くなった場合、一次相続の遺産分割では、Aの財産が対象となり、BDEが参加者となる。
・二次相続(亡くなった相続人の相続)の遺産分割
対象の財産:二次相続の被相続人(亡くなった相続人)が一次相続で相続した財産&元から持っていた財産
参加者:二次相続の相続人のみ
具体例:父A・母B・子C・子の妻D・孫Eがおり、A→Cの順に亡くなった場合、二次相続の遺産分割では、Cが相続したAの財産とCが元から持っていた財産が対象となり、DEが参加者となる。
ここでポイントとなるのは、一次相続の遺産分割において、亡くなった相続人の相続人は、相続人としての立場が二重になることがあるという点です。具体例に則して説明すると、父A・母B・長男C・長女Dがおり、A→Bの順に亡くなった場合、CとDは、一次相続の遺産分割において、「元からの相続人としての立場」と「母Bの代わりに参加している立場」の二重の立場で遺産分割を行うことになります。
遺産分割協議書を作成する際には、対象の財産や参加者の立場が明確になるよう、参加者の肩書きを書く等の工夫をしてください(肩書きの例:相続人 兼 相続人Bの相続人 C)。
数次相続発生時の相続登記・相続税申告
数次相続時に求められる相続登記の流れ
● 数次相続と相続登記
相続登記は、不動産などの名義を正式に新しい相続人へ移転するための法的手続きです。数次相続が発生している場合は、一次・二次相続の両方の相続人が登記手続きの対象となるため、より複雑な対応が必要となります。大阪市では不動産の相続登記未了によるトラブルも多く、迅速かつ正確な手続きを心掛けることが重要です。
相続登記のポイントとしては、まず法定相続情報一覧図や遺産分割協議書を用意し、全ての相続人の同意・署名押印を得ることが必要です。また、亡くなった相続人の分についても新たな相続人が登記申請に加わるため、書類の準備や押印漏れに注意しましょう。さらに、登記申請書の記載内容に誤りがあると、法務局での手続きが滞ることもあるため、事前の確認が不可欠です。
実際の手続きでは、数次相続のケースでは一度に複数の相続人による登記申請となることから、申請の順序や必要書類の確認など、事前準備が重要です。専門家のサポートを活用することで、スムーズな登記完了が期待できます。
数次相続の相続登記で起こる実務上の課題
● 中間省略登記
被相続人が土地や不動産を持っていた場合、その名義変更の手続き(=相続登記)が必要となります。
そして数次相続が発生した場合には、原則として相続が起きた回数どおり順次相続登記をしなければなりませんが、一定の条件を満たすと、途中の登記を省略して、いきなり最終の相続人の名義にすることができます。このような登記を「中間省略登記」といいます。
具体例を挙げて考えてみましょう。父A・長男B・次男Cがいて、A→Bの順で亡くなり、Bの相続人はBの妻Dと子Eであるとします。このとき、A名義の不動産をEに相続させようとすると、通常であれば「A→B→E」の順に相続登記しなければなりませんが、中間省略登記をして、「A→E」と登記をすることも可能です。
このような中間省略登記をするには、中間の相続人が1人であるという条件を満たさなければなりません。具体例のケースでは、中間の相続人がBのみなので中間省略登記が可能なのです。中間省略登記をすると建物の相続登記に必要な登録免許税が節約できるというメリットがあります。数次相続で特定の相続人に不動産を相続させたい場合には、中間省略登記が可能かどうかを検討するとよいでしょう。
ただし、相続税がかかる場合には、中間省略登記をすることで相続税控除の要件を満たすことができず、損をしてしまうこともあります。税務上の心配がある場合には、登記の前に税理士に確認するようにしましょう。
法定相続情報一覧図と相続登記の関係性
● 数次相続と相続税
遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+相続人の数×600万円)を超える場合、相続税の申告が必要です(なお、基礎控除額の算定には相続人の人数が影響しますが、数次相続によって相続人が増えたとしても、当初の相続人の人数が基準となるため、控除額が増えることはありません)。
数次相続と相続税の申告について、主に考慮すべきポイントは「相続税の申告・納付の期限」と「相次相続控除の活用」です。
数次相続登記の必要書類と作成ポイント
● 相続税の申告・納付の期限
申告・納付の期限については、相続税の申告と納付には、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」という期限がありますが、数次相続が発生した場合には、この期限は一次相続と二次相続についてそれぞれ別に進行していきます。つまり、二次相続が発生しても一次相続の申告期限が延びるわけではなく、一次相続の分については通常どおり、亡くなったことを知ってから10か月以内に申告しなければならないのです。
ただし、二次相続の相続人については、この申告の義務を負ったのは相続人が亡くなったタイミング(=二次相続が発生したタイミング)になるため、申告期限は二次相続が生じたことを知った日から10か月です。とはいえ一次相続の相続人全員の期限が延びるわけではなく、相続税の申告までに遺産分割を終えるには、元の申告期限までに終えなければなりません。いつまでに申告しなければならないのか、手続きの期限を意識しながら手続きを進めるようにしましょう。
相続登記時に配偶者死亡が影響する場合
● 相次相続控除の活用
先述のとおり、一次相続と二次相続は、相続税の申告において別の相続として取り扱われます。
そのため、一次相続における相続財産を二次相続で新たに相続人となった人に相続させる場合、「一次相続の被相続人 → 二次相続の被相続人 → 新たな相続人」と所有者が二度変わったことになり、相続税も二度課されてしまいます。
こういった状況で税負担を軽減するための制度が「相次相続控除」です。相次相続控除とは10年以内に二次相続が発生した場合に、二次相続の相続税から一定額を控除できる制度です。
控除率は、1年以内であれば100%、2年以内であれば90%と、一年ごとに10%ずつ低下していきます。相続人や取得財産の内訳によって詳細な控除額が変わるので、数次相続が発生した際の遺産分割の方針については、税理士等の専門家に相談しながら決めることをおすすめします。
数次相続が起きたときの注意点
数次相続時に求められる相続登記の流れ
● 一人っ子は特に注意が必要
数次相続を考えるにおいて最も注意しなければならない家族構成は、父・母・子という一人っ子の家族です。このような家族構成において、たとえば、始めに父が亡くなり、その遺産分割が終わる前に母が亡くなったとしましょう。この場合、相続人は子のみとなりますが、最大の注意点は父の遺産について遺産分割ができなくなるという点です。
遺産分割協議は、相続人が複数いる場合に行うことができる話合いです。よって、その話合いよりも前に母が亡くなってしまうと、父の遺産については遺産分割ができず、母と子が法定相続分どおり2分の1ずつ相続したものとみなされるのです。
これにより、不動産を含むすべての財産を母子で2分の1ずつ分けることになります。そして、母の死亡により、母が相続した2分の1を子が相続することになるのです。
これにより、以下の点に注意が必要となります。
・二次相続時の相続財産が増える:二次相続では、「父の財産の2分の1」と「母が元から持っていた財産」の両方が母の相続財産となります。これにより相続財産が大きくなって、想定外の相続税がかかることがあります。
・配偶者控除や小規模宅地等の特例が使えなくなる:本来であれば、母が父の財産を相続することで、配偶者控除や小規模宅地等の特例といった相続税上の特例が使えます。しかし、母と子が2分の1ずつ相続したものとみなされてしまうと、こういった特例が使えなくなり、一次相続における相続税が高額になることがあります。
・相続登記が二度必要となる:父名義の不動産を子が相続したい場合、母子で遺産分割をすればいきなり子の名義にすることができますが、遺産分割の前に母が亡くなってしまうと、いったんは母と子で2分の1ずつ相続したこととなります。よって、相続登記が二度必要となり、手続き上の負担や登録免許税の負担が増える恐れがあります。
このように、一人っ子の家庭に数次相続が発生した場合、他の相続人との調整が不要な代わりに、税負担や手間が増える可能性があるのです。
まとめ
相続人が遺産分割協議中に亡くなった場合、協議は一度中断し、亡くなった相続人の相続人(次順位相続人)が協議に参加する必要があります。このため、協議のメンバーや協議内容を再度整理し直すことが不可欠です。大阪市のように親族関係が複雑な場合、誰が新たな協議に加わるべきか正確に把握することがトラブル防止に直結します。
再協議の際は、法定相続分や遺留分も改めて確認し、全ての相続人が納得する形で遺産分割協議書を作成することが重要です。数次相続が発生している場合、一次相続分と二次相続分が混在するため、財産の帰属先や分割割合について誤認が生じやすくなります。協議書には新旧すべての相続人の署名・実印押印が必要となるため、書類の不備にも注意しましょう。
実際には、相続人が多数に分かれることも多く、連絡や調整に時間がかかるケースも少なくありません。相続放棄や代襲相続の有無も確認しながら、全員の合意を得られるよう慎重に進めることが求められます。相続人の一部が協議に参加していなかったために協議がやり直しになる事態も考えられますので、十分な確認が必要です。

