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相続欠格とは何か|知っておきたい制度の概要と要件を解説

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相続欠格とは何か|知っておきたい制度の概要と要件を解説

相続欠格とは何か|知っておきたい制度の概要と要件を解説

2026/01/29

「相続に関する犯罪で捕まると相続人になれない」という話を聞いたことがありませんか?

これは民法上の「相続欠格」という制度です。遺言の改ざんや他の相続人の殺害といった犯罪を犯すなど、相続に関する一定の重大な背信行為をした相続人は、法律上、自動的に相続人から除外されます。よく似た制度に相続人の廃除がありますが、廃除は被相続人の意思に基づくのに対し、相続欠格は一定の要件を満たすと当然に適用される点が特徴です。

本記事では、なぜこのような制度が設けられているのか、相続欠格の基本や具体的な要件、相続欠格者がいる場合の相続手続きへの影響などについて解説します。

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目次

    相続欠格の基本や要件、廃除との違い

    ● 相続欠格とは

    相続欠格とは、被相続人に対して一定の重大な背信行為をした相続人が、法律上自動的に相続人から除外される制度です。これは民法で定められており、相続の公正や被相続人の意思を尊重するために設けられています。大阪市でも全国共通のルールとして適用され、例外はありません。

    主な要件は、被相続人や他の相続人に対する故意の犯罪行為や、遺言書の偽造・破棄などの不正行為です。これらの要件を満たした場合、相続人全員の合意や裁判所の判断を待たずに自動的に権利を失う点が相続欠格の特徴です。

    相続欠格の有無によって遺産分割協議の進行や書類の取得手続きに影響が出ることもあるので、相続人の範囲や権利関係を正確に把握するためにも、制度の概要を知っておくことが大切といえます。

    ● 相続欠格となる要件

    相続欠格となるのは、民法第891条に定められた以下の欠格事由に該当した場合です。

    1. 故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある相続人を殺害(未遂)し、刑に処せられた場合
    2. 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発・告訴しなかった場合(ただし、告発等をするための能力がない場合や、殺害者が配偶者または直系血族であった場合を除く)
    3. 詐欺・強迫によって、被相続人の遺言を作成・撤回・取消し・変更させた場合や、それを妨げた場合
    4. 被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した場合

    これらの行為はいずれも相続の公正や被相続人の意思を著しく損なう行為であるため、このような行為をした相続人は、相続人としての地位を失います。

    特に「被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した場合」というのは、実務上問題になるケースが多い欠格事由です。「こんな遺言は認められない」「少し書き足して自分が得をするようにしよう」といった行為により、相続人としての地位そのものを失うという重大な結果につながるのです。

    相続欠格に該当するかどうかの判断は、実際の事実関係や証拠に基づいて行われます。特に裁判所の判断や刑事事件の有罪判決の有無が前提となるので、情報収集を適切に行わなければなりません。

    しかし、大阪市のように相続人が遠方に分散する都市部では、欠格事由が発生したとしても、相続人間の関係性が希薄であることから、情報がうまく共有されないこともあります。手続きの混乱を防ぐためにも、速やかな事実確認や専門家への相談が重要です。

    ● なぜ相続欠格という制度があるのか

    相続欠格の根拠は民法に定められており、その法的理念は「信義則」と「公序良俗」の維持にあります。つまり、被相続人に対して重大な背信行為を行った者が相続人として認められるのは、社会通念上も許されないという考え方です。

    言い換えると、相続欠格という制度が設けられている背景には、被相続人の最終意思の尊重と、相続の公正・社会的秩序維持という目的があると言えます。重大な背信行為をした者に対してまで相続権を認めることは、社会正義や遺族の感情にも反するため、法律で自動的に権利をはく奪する仕組みが作られました。

    たとえば、被相続人の遺言を偽造したり、暴力を用いて遺言内容を変えさせたりした場合、そのまま相続権を認めてしまうと他の相続人との間で深刻なトラブルが発生するおそれがあります。相続欠格制度は、このような行為を抑制するのみならず、相続時のトラブルを防止する役割をも果たしているのです。

    ● 相続欠格は「当然に」はじまる

    相続欠格事由に該当した場合、当該相続人は法律上当然に相続権を失います。これは遺産分割協議に参加できなくなるだけでなく、遺産の分与請求や遺留分侵害額請求もできなくなります。手続き上、特別な申立てや裁判所の決定を待たずに効力が生じる点がポイントです。

    大阪市での実務では、相続欠格者がいる場合には、戸籍や住民票で相続人関係を確認し、欠格者を除外したうえで遺産分割協議書を作成します。複数の相続人が関与する場合、欠格者の有無を早期に確認しないと手続きに遅れが生じるため、速やかな情報の確認が求められます。

    ● 相続人の廃除との違い

    似たような制度に「相続人の廃除」がありますが、これらの制度は大きく異なります。

    相続人の廃除とは、被相続人に虐待や重大な侮辱をした相続人(ただし、遺留分を有する者に限る)の相続権を、被相続人の意思に基づいてはく奪する制度です。

    被相続人は、生前に家庭裁判所に申し立てるほか、遺言によっても相続人の廃除の意思表示をすることができます。

    一定の犯罪等の行為をした相続人の権利を自動的に奪う相続欠格とは違い、あくまで被相続人が「この人には相続させたくない」という意思表示をしたときのみ発動するのが「相続人の廃除」なのです。

    相続欠格になるとどのような権利を失うか

    ● 相続欠格になると相続人ではなくなる

    相続人の欠格事由に該当した場合、その者は最初から相続人でなかったものとみなされます。したがって、遺産分割協議にも参加できず、遺産を受け取る権利もありません。このことは他の相続人の取り分に影響するため、相続手続き全体に影響します。

    大阪市のように相続人が広範囲に存在する場合、相続欠格者の有無によって遺産分割協議書の内容や手続きが大きく変わることがあります。さらに、相続欠格者がいる場合は、代襲相続(本来の相続人の子などが代わりに相続する制度)が適用されるため、欠格となった者に子どもがいるかどうかの確認が必要です。

    相続手続きの円滑な進行のためには、欠格者や代襲相続人の有無を早期に確認し、関係者全員に正確な情報を共有することが重要です。このような事態が起こると情報整理が複雑となりやすいので、トラブル防止の観点からも、専門家への相談が有効です。

    ● 遺言書があっても相続できない

    ここで「相続欠格になっても、遺言書で指定されていれば財産を受け取れるのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。

    結論としては、たとえ遺言書に「相続人Aにすべての財産を相続させる」という記載があったとしても、Aさんが相続欠格に該当すると、財産は受け取れません。なぜなら、相続欠格となったAさんは、相続人ではなかったことになるからです。

    なお、遺言書では相続人以外の人に財産を残す(遺贈する)こともできますが、この場合にも相続欠格は適用されます。そのため、遺言書に記載された受遺者は、欠格事由に該当すると、財産を受け取ることができなくなります。

    ● 遺留分も認められない

    遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に最低限保障される財産取得分を指します。たとえば、遺言書によって全財産が特定の相続人に遺贈された場合でも、他の法定相続人には遺留分として一定割合の財産を請求する権利が残されます。

    しかし、相続欠格に該当すると、遺留分を請求する権利もはく奪されます。

    遺留分は相続人間の公平のためにある制度なので、相続人ではなかったことになる相続欠格者には認められないのです。

    ● 相続欠格は争うことができる

    欠格事由に該当するかどうか争いがあるときは、裁判所で「相続権を確認するための訴訟」や「相続権がないことを確認するための訴訟」を提起することになります。前者は相続欠格を疑われた人、後者は他の相続人がそれぞれ提起するもので、このような訴訟が始まると、相続欠格に該当するかどうかは最終的に裁判所で判断されることになります。

    相続欠格は、一定の要件さえ満たせば無条件で効力が生じる強力な制度です。相続欠格に該当するかどうかは専門家でも判断が分かれるところでもありますので、疑問や不満があるときは速やかに弁護士に相談しましょう。

    相続欠格者がいる場合の相続手続き

    ● 相続欠格者がいる場合の相続手続き

    相続人を殺害して刑に処せられたり、遺言書の改ざんをしたりといった欠格事由に該当する行為をした相続人がいる場合、まずはその人が本当に欠格事由に該当するかを確認し、その事実を証明するための書類(判決の謄本(確定したことがわかるもの)や、相続欠格者本人が作成した相続欠格証明書)を準備します。

    そして、新たに相続人になる人がいないかを確認し、相続関係を確定させます。この際、相続欠格に該当する人は相続人にならないことに注意してください。

    このようにして準備が整えば、新たな相続人全員で遺産分割協議の作成や各種財産の解約、名義変更といった相続手続きを進めます。手続きの際には相続欠格に該当することがわかる前記の証明書の提出を求められるので、お手元に準備しておきましょう。

    ● 相続欠格の証明方法

    では、具体的にどのような証明書を用意すればよいのでしょうか。

    相続欠格になったとしても、別途証明書が発行されたり、戸籍にその旨が表示されたりするわけではありません。相続欠格を示すための証明書は、自分で用意する必要があるのです。

    一般的に考えられる書類は以下のとおりです。

    • 欠格事由を証明する公的な書類(判決の謄本(確定したことがわかるもの)等)
    • 相続欠格者本人が作成した相続欠格証明書印鑑証明書
      → 特別な書式があるわけではありませんが、一般的に「私は被相続人○○(令和○年○月○日死亡)の相続について、民法第891条第○号規定の欠格者に該当します」といった記載をして、署名と実印による捺印をします。

    これらの書類は、遺産分割協議や相続登記、預貯金の解約などの手続きを行う際に必須となるため、欠格となる相続人がいることが判明したら、早めに収集しましょう。書類の記載方法や添付資料に不備があると、手続きが滞るリスクがあるので、専門家のチェックを受けると安心です。

    ● 相続欠格になっても代襲相続は生じる

    また、新たな相続関係を確定する際の注意点として、相続欠格者には代襲相続が生じます。

    代襲相続とは、本来相続人となるはずの人(たとえば、子どもや兄弟姉妹)が被相続人の死亡以前に亡くなっていた場合や、相続欠格にあたる場合など、一定の事情で相続権を失ったときに、その子(孫)が代わりに相続人となる仕組みです。

    つまり、相続欠格になった相続人に子どもや孫がいる場合、その人が欠格者の代わりに相続人となるのです。「相続人ではなくなったのにその子どもが相続できるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれませんが、欠格事由にあたるような背信行為をしたのはあくまで当人であり、その子どもに罪はありません。そのため、このような仕組みになっているのです。

    ● 相続欠格者がいる場合の相続手続きの注意点

    最後に相続欠格者がいる場合の相続手続きの注意点をまとめます。

    相続欠格にあたる以下のような事実が判明したら、まずはその事実を関係者間で共有し、相続欠格の有無を確認しましょう。相続欠格は「相続人としての立場を失わせる」という強力なものなので、判断に不安がある場合は迷わず弁護士などの専門家にご相談ください

    1. 故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある相続人を殺害(未遂)し、刑に処せられた場合
    2. 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発・告訴しなかった場合(ただし、告発等をするための能力がない場合や、殺害者が配偶者または直系血族であった場合を除く)
    3. 詐欺・強迫によって、被相続人の遺言を作成・撤回・取消し・変更させた場合や、それを妨げた場合
    4. 被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した場合

    欠格の事実が確認できたら、それを証明する資料を取得し、新たな相続関係を確定させます。相続関係の確定の際には、相続欠格者に代襲相続が生じる点に注意してください

    そして、相続欠格者を除く相続人で遺産分割協議などの相続手続きを進めていきます。遺産分割協議書には、「○○は民法第891条第○号による相続欠格者である」などと明記しておくことをおすすめします。協議を円滑に進めるためにも、他の相続人全員が欠格者の事由を把握し、同意の上で手続きを進めることが重要です。

    これらの注意点を踏まえ、トラブルを回避するためにも、相続欠格が疑われる場合は早めの対応を心がけましょう。

    まとめ

    相続欠格とは、被相続人に対して重大な背信行為を行った相続人が法律上自動的に相続資格を失う制度です。大阪市のように相続人が広域に分布している場合、相続人同士の関係が希薄になり、欠格事由の有無を見落としやすい点に注意が必要です。

    代表的な相続欠格の要件には、被相続人を故意に死亡させて刑に処せられた場合や、遺言書を偽造・破棄した場合などが含まれます。特に、遺言書の取り扱いに関するトラブルは都市部でも発生しやすく、相続人の一部が遺言書を隠したり改ざんしたことで欠格に該当した事例もあります。

    こうした事例は表面化しにくいこともあるため、遺産分割協議の前に必ず相続欠格事由がないかを確認し、疑いがあれば司法書士や弁護士などの専門家に相談することが大切です。

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    お客様一人ひとりの状況に合わせて柔軟にサポートし、幅広いお悩みに向き合いますので、お気軽にご相談ください。

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