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寄与分とは? 仕組みや主張するための要件、取得のポイントを解説

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寄与分とは? 仕組みや主張するための要件、取得のポイントを解説

寄与分とは? 仕組みや主張するための要件、取得のポイントを解説

2025/09/16

相続の場面では、被相続人(亡くなった方)の介護や家業の手伝いなどを長年行っていた家族が、その貢献を正当に評価されず不公平感を抱く場面があります。

このような状況を調整するための制度が「寄与分」です。寄与分を活用すれば、通常期待される範囲を超えた貢献をした相続人が、その貢献度合いに応じて相続分を増やせる可能性があります。しかし、寄与分が認められるには厳密な要件や証拠が求められ、その主張や手続きは複雑です。

本記事では、寄与分の仕組みや認められる要件、必要な証拠、主張する際のポイントまで、具体的なケースに基づき丁寧に解説します。

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遺産整理、遺言、生前贈与、家族信託など、相続と生前対策に関するお手続きに幅広く対応しております。
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目次

    寄与分とは

    ● 寄与分とは

    相続において寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人の努力を正当に評価し、その分だけ相続分を増やす制度です。

    この制度を活用することで、単純な法定相続だけでは救済されない貢献が認められ、実際の相続人の納得感や満足度が向上します。たとえば、長年介護を担った子どもが、他の兄弟と同じ相続分では不公平と感じる場合、寄与分を主張することでその貢献が具体的に反映されるのです。

    大阪市などの都市部では、相続人間で実家との関わり具合に差があることも多く、家業の手伝いや長期介護など家族内での貢献が偏りがちであるため、寄与分の主張が、公平な遺産分割に大きな意味を持つでしょう。

    ● 寄与分が認められるケース

    寄与分が認められるのは、たとえば、親の事業を無償で長期間手伝ったり、被相続人の療養看護を続けたりした場合など、明らかに他の相続人よりも貢献度が高いと認められるケースが該当します。

    単なる親孝行や同居のみでは認められにくく、明確な証拠や事実に基づく主張が必要です。ほかにも、資金援助や財産管理などにより、客観的にみても「被相続人の財産を維持または増加した」と認められる場合に、寄与分の主張が可能となります。

    ● 寄与分の主張の方法

    寄与分を主張するには、まず自分が法定相続人であることが前提となります。その上で、被相続人の財産維持や増加に通常を超える貢献があったこと、かつその行為が無償・継続的であることが求められます。

    寄与分の主張は、まずは遺産分割の場面、つまりは相続人間の話し合いで行います。この話合いがまとまらないときは、裁判所での遺産分割の調停や審判のなかで判断されることになります。

    主張する際は、実際にどのような貢献を行ったのか、証拠や記録を整理しておくことが重要です。家業を手伝った場合には帳簿やタイムカード、介護をした場合には介護記録、その他、第三者の証言などが有力な証拠となります。主張のタイミングや方法も重要であり、遺産分割協議の初期段階から専門家に相談することがトラブル回避のポイントです。

    寄与分が認められるための要件

    ● 寄与分の要件は厳格

    相続において寄与分とは、被相続人の財産維持や増加に特別な貢献をした相続人が、法定相続分よりも多くの遺産を受け取れる制度です。

    もちろん遺産分割のなかで、相続人全員の合意のもと、「Aさんは一番近くに住んで介護もしていたのだから、Aさんがたくさんもらえるようにしよう」といった取決めをするのは自由です。しかし、話し合いがまとまらないときに、公的な裁判手続きで法律上の寄与分が認められるには、厳密な要件が設定されています

    主な要件は以下のとおりです。

    1. 被相続人の法定相続人であること
    2. 被相続人の財産の維持や増加に貢献したこと
    3. その貢献の度合いが、通常求められるものを超えていたこと
    4. その貢献が、無償かつ継続的な行為であったこと

    これらの要件を満たすには、単なる家族としての手伝いや同居だけでは足りません。たとえば、長期間にわたる介護や家業の経営支援など、明らかに他の相続人と差がある貢献が必要です。

    寄与分の主張には、具体的な証拠や記録が重要となるため、日々の行動や支出について記録を残しておくことが推奨されます。

    ● 要件その1:法定相続人であること

    寄与分を主張するためには、まず法定相続人であることが絶対条件です。民法上、寄与分の請求権は法定相続人に限定されており、たとえば内縁の配偶者や子の配偶者は対象外となります。この制度は相続分の公平性や法的安定性を保つために設けられたものなので、このような要件があるのです。

    そのため、寄与分を主張したい場合には、自分が相続人にあたるかどうかを事前に確認しておく必要があります。

    相続人でない人が財産を得る方法としては、遺言書の活用や特別寄与料の請求など、他の制度の活用が考えられます。

    ● 要件その2:被相続人の財産を維持・増加したこと

    寄与分が認められるには、被相続人の財産の維持または増加に対して、具体的かつ実質的な貢献が求められます。たとえば、長年にわたる介護によって介護費を削減したことや、家業の経営を支援して人件費を削減したこと、被相続人名義のアパートの経営管理などの財産管理をしたことなどが該当します。単に同居していた、家事を手伝っていたというだけでは、具体的貢献とはみなされません。

    具体的には、以下のような行為(寄与行為)であれば、寄与分が認められやすくなります。

    1. 被相続人の家業に従事していた(家事従事型):農業や個人商店、会社経営など、被相続人が行っていた事業を手伝っていたケース
    2. 被相続人に資金等の援助をしていた(金銭等出資型):被相続人に対して、不動産を買うための資金を援助していたり、借金を肩代わりしていたりしたケース
    3. 被相続人の介護をしていた(医療看護型):家族による通常の日常生活支援を超えて介護をしていたケース
    4. 被相続人の生活費等の援助をしていた(扶養型):家族による通常の扶養の範囲を超えて金銭等を援助していたケース
    5. 被相続人の財産を管理していた(財産管理型):被相続人名義のアパートの管理業務や、不動産売却のサポートなどをしていたケース

    このような寄与行為を主張するうえでは、介護記録や帳簿、タイムカード、第三者の証言など、客観的な証拠が審査の際に重視されます。貢献の内容を明確に示せる資料を日頃から残しておくことが、寄与分主張の成功につながります。

    ● 要件その3:「通常期待される範囲」を超えていること

    寄与分が認められるためには、その貢献が「通常期待される範囲」を超えている必要があります。たとえば、親の介護を一定期間だけ行った場合や、短期間だけ家業を手伝った場合は、通常の扶養義務や家族としての協力と判断されやすいです。

    一方、長年にわたり日常生活を犠牲にして無償で介護を続けた、または家業の経営難を救うために大きな労力や資金を提供した場合などは、「通常を超えた寄与」と評価されることがあります。大阪市でも、同様の基準で判断されるため、主張の際には具体的な期間・内容・成果を明確に説明することが重要です。

    とはいえ、どの程度の貢献が必要かどうかは一概に決まるものではなく、各事案の状況や社会通念、関係者の価値観などによって変わります。相続人間の話し合いで決まらなければ、裁判所での遺産分割調停や遺産分割審判で決めることになります。

    ● 要件その4:無償かつ継続的な行為であること

    寄与分認定の要件には、無償かつ継続的な行為であることが含まれます。報酬を受け取っていた場合や一時的な支援では、寄与分を請求することはできません。無償で長期間支え続けることが、他の相続人と差別化するための要素となります。

    たとえば、報酬を受け取って介護をしていた場合や、給与を受け取って家業を手伝っていた場合には、その分が控除されるか、寄与分そのものが認められないことがあります。大阪市の相続事例でも、介護記録や振込履歴などをもとに無償性や継続性が判断されます。寄与分を主張したい場合は、日々の活動記録や第三者の証言も併せて準備しておくことがポイントです。

    寄与分を主張するためのポイント

    ● 寄与分の主張で証拠が必要な理由

    寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した法定相続人が、その分を相続分に上乗せできる制度です。しかし、寄与分は主張するだけではなかなか認められず、具体的な証拠をもって立証する必要があります。

    相続人同士の話し合いのなかで全員が合意のうえ貢献度合いが反映された分割がなされればよいのですが、相続人間で「どこまでが通常の扶養や手伝いなのか」「特別な貢献だったのか」といった価値的判断が揃うことは珍しく、そう上手くもいきません。だからこそ、寄与分を主張する際には、証拠の有無がその結果を大きく左右するのです。

    特に大阪市のような都市部では、相続人同士が疎遠であったり、相続人間の負担が偏ったりするケースが多いため、証拠をしっかり揃えることが公平な遺産分割の出発点となります。

    ● 寄与分の証明

    寄与分の証明には、日々の介護記録や医療費・生活費の領収書、交通費の明細など、客観的な書類が不可欠です。

    医療看護型の寄与行為の場合は、いつ・どのような内容で・どれくらいの頻度で行ったか、具体的な日誌や記録が有効となります。家事従事型の寄与行為であれば、業務日誌やタイムカード、給料を受け取っていないことを示す確定申告書などが有効でしょう。

    また、金銭出資型や扶養型の寄与行為では、金銭的支援の証拠も重要です。たとえば金銭の贈与契約書や銀行の振込明細書、生活費の仕送り記録などを整理しておくことで、裁判所や他の相続人に対して説得力のある主張が可能になります。

    証拠の基準は「事情を知らない人が見たときに、寄与行為があったことが明確にわかること」です。証拠は日常的に整理・保管し、抜け漏れのないよう意識しましょう。

    ● 家事従事型の証明

    家業の手伝いや事業支援による寄与分を主張する場合、勤務記録や給与明細、事業帳簿、第三者の証言書類が有力な証拠となります。特に無償で長期間にわたり労務を提供していた場合、その期間や内容、成果が具体的にわかる資料が必要です。

    たとえば、タイムカードや確定申告書(給料を受け取っていないことがわかるもの)、親族以外の従業員や取引先などとの間のメールでのやり取りも、客観的な証拠として効果的です。これらの書類は、後から集めるのが難しいため、日頃から整理し、必要に応じて専門家に相談することが推奨されます。

    ● 証拠が不十分だとどうなる?

    証拠が不十分な場合、他の相続人との認識の違いからトラブルが発生しやすくなります。特に寄与分は通常の扶養義務との区別が曖昧になりがちで、「本当に特別な貢献だったのか」と争いになるケースが少なくありません。

    トラブル防止のためには、日頃から証拠を整理し、可能であれば定期的に家族間で話し合いの機会を持つことが大切です。また、寄与分の主張を検討する段階で弁護士など専門家へ相談し、証拠の有無や主張の妥当性を事前に確認しておくと安心です。

    ● 考えられる証拠まとめ

    寄与分の主張をするときに用意しておくと安心な客観的証拠を、寄与行為の類型ごとにまとめます。

    1. 家事従事型:業務日誌、タイムカード、メールの履歴、給料を受け取っていないことがわかる確定申告書や給料明細など
    2. 金銭等出資型:売買契約書や贈与契約書、通帳の履歴、振込明細、家計簿など
    3. 医療看護型:診断書、要介護認定の通知書、介護ヘルパーとのやり取り記録、介護ヘルパーなどの第三者からの陳述書など
    4. 扶養型:扶養するに至った経緯がわかるもの、通帳の履歴、振込明細、家計簿、クレジットカードの利用明細など
    5. 財産管理型:物件の賃貸借契約書や賃借人とのやり取り記録、管理していた通帳、業務上の領収書やメールなど

    このように、事情を知らない第三者が見て寄与行為があったことがわかるような資料が必要です。

    寄与分を請求する手続きの流れ

    ● 話し合いから始まる寄与分の請求

    相続における寄与分請求の基本的な流れは以下のとおりです。

    1. 遺産分割協議のなかで話し合う
    2. 話合いがまとまらなければ、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる
    3. 調停でもまとまらなければ、遺産分割審判に進む

    まず相続人の間で寄与分の有無や内容について話し合いを行うことから始まります。ここで合意に至れば、遺産分割協議書に寄与分の内容を明記し、名義変更などの相続手続きを進めることが可能です。相続人全員が合意さえしていればよく、遺産分割協議内で話がまとまる場合であれば、先述の要件はそこまで気にしなくてよいということです。

    一方、話し合いがまとまらずに裁判手続きに移行する場合には、民法で定められた先述の要件をすべて満たす必要があります。具体的には、法定相続人であること、被相続人の財産の維持や増加に貢献したこと、通常を超える貢献であること、その貢献が継続的かつ無償で行われたことなどが求められます。これらを証明するためには、証拠書類や関係者の証言が重要です。

    また、初めから相続人間で紛争状態にある場合や、「寄与分の話をすると揉めるかもしれない」という懸念がある場合には、話し合いをしてしまうことで後の裁判手続などで不利になりかねませんので、話し合う前に弁護士に相談することをおすすめします

    ● 話し合いで寄与分が請求できたら

    話し合いで寄与分が請求できたら、寄与分を反映させた遺産分割協議書を作成します。この場合、寄与分の具体的な内容と金額、算出根拠を明記することで、後の争いや認識のずれを予防できます。

    たとえば「被相続人の生前10年間にわたって無償で被相続人の介護を行った長男Aは、寄与分として現金100万円を相続する」といった記載が望ましいでしょう。曖昧な表現や根拠のない金額設定は、後のトラブルにつながるリスクがあります。

    遺産分割協議書は、被相続人の死亡の事実・遺産の分け方・負債の負担方法を記載し、相続人全員の署名と実印での押印を行います。このような正式な書類である遺産分割協議書に明記しておくことで、相続人全員が寄与分に納得している証拠になるのです。

    遺産分割協議書は各種名義変更の手続きで提出を求められるため、法律文書としての体裁や内容の正確性を重視しましょう。作成に不安があれば、専門家にご相談ください。

    ● 協議が難航したら

    寄与分は認められる要件が厳しいため、話合いが難航するケースも少なくありません。

    話合いで解決しない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停では、証拠や経緯をもとに第三者(調停委員)が間に入り、公平な合意形成を目指します。家庭裁判所への申立ては所定の書式や証拠資料を整える必要がありますので、準備段階から専門家の助言を得ることで手続きが円滑に進みやすくなります。

    調停で相続人間の合意がまとまらなければ、審判手続きに進みます。審判では、客観的な証拠をもとに、最終的に裁判所が寄与分の有無やその額を決定します。

    寄与分の計算方法や分割時の注意点

    ● 寄与分の計算方法

    寄与分の計算方法は特に決まった基準があるわけではなく、個々の事情や寄与行為の程度、過去の裁判例などから総合的に判断されます。

    ただし、認められる寄与分の上限は遺産総額です。また、裁判となると、他の相続人との兼ね合いも考慮されるため、寄与行為による貢献度合いがいくら高くとも、すべての遺産を相続できると認められることは少ないです。

    このように、決まった基準が存在しない寄与分の相場ですが、目安になる金額も存在します。たとえば、家事従事型であれば「本来受け取るはずの給料」、医療看護型であれば「本来介護ヘルパーへ支払うはずだった金額」、金銭等出資型であれば「被相続人にもたらした金銭的利益」などです。

    裁判所では、過去の裁判例と同様の方法でこのような金額を算出し、個別の事情に当てはめて最終的な決定がなされます。

    ● 寄与分の注意点

    遺産分割協議で寄与分を反映させる際は、全相続人の合意が不可欠です。寄与分は主張しても必ず認められるわけではなく、他の相続人の理解と納得が得られなければ調停や審判に発展することもあります。

    そのため、寄与分を主張する際には、貢献内容や期間など、寄与行為の具体的な内容がわかる証拠を事前に用意し、主張の根拠を説明する準備をしておくことが重要です。

    また、寄与分を主張することは当然の権利ではありますが、その性質上、主張することで相続人間の関係性が悪化するリスクもあります。相続人全員が「このくらい貢献してくれたんだから多く貰うのは当然だ」と考えてくれるようなケースであれば問題ありませんが、少しでも話が食い違うようなことがあれば、冷静な話し合いのためにも、弁護士へ相談することをおすすめします。

    そして寄与分の請求には、事実上の時効もあります。2023年4月の民法改正により、遺産分割ができる期間が被相続人の死亡から10年と定められました。10年を経過すると、法定相続分どおりに遺産を分割したとして処理され、寄与分の主張は原則として認められなくなります。10年が経過する前であっても、時間が経ってしまうと証拠を集めるのが難しくなり、当時の記憶も薄れてしまいます。寄与分を主張するには、できるだけ迅速に行動に移ることが大切です。

    こじれて手続きが長引いてしまう事態を避けるためにも、早めに専門家に相談することをおすすめします。

    ● 遺産分割のやり直しによる税務上のリスクも

    寄与分は、いったん遺産分割協議が終わった後にも主張することが可能です(ただし、一度分割を認めている以上、認められるのは難しくなります)。しかしこのような場合、遺産分割のやり直しとみなされ、贈与税や譲渡所得税が生じるリスクがあります。

    さらに、相続税を納めていた場合には、再度税申告をして、税額を修正する必要があるでしょう。

    このように、遺産分割を終えた後の寄与分の調整には税金のリスクも伴うので、検討する際は、税理士などの専門家に相談しておくと安心です。

    まとめ

    相続における「寄与分」とは、被相続人の財産維持や増加に通常以上の貢献をした相続人が、その分だけ相続分を増やしてもらう制度です。

    民法上、寄与分の請求には要件が設けられており、まず、法定相続人であることが第一条件となります。さらに、貢献が被相続人の財産形成や維持に直接結びついていることや、無償かつ継続的な行為であること、そして通常の家族の扶助義務を超えた貢献であることが求められます。これらの要件を満たすことで、初めて寄与分が認められる可能性が生まれます。

    また、寄与分の主張には期間制限がある点や、遺産分割後のやり直しによる税金リスクなど注意点もあるため、早めに専門家に相談し、適切な手続きを進めることが安心につながります。

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