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相続における特別縁故者が財産分与を求める方法とは? 要件や手続きを解説

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相続における特別縁故者が財産分与を求める方法とは? 要件や手続きを解説

相続における特別縁故者が財産分与を求める方法とは? 要件や手続きを解説

2026/02/05

亡くなった方に相続人がいない場合、財産はどこにいくのか疑問に感じたことはありませんか?

相続人が存在しないケースでは、財産は最終的に国のものになりますが、亡くなった方の内縁の配偶者や長年の介護者など、特別の縁故がある人は「特別縁故者」として財産の分与を受けられる可能性があります。しかし特別の縁故があるからといって簡単に財産を受け取れるわけではなく、特別縁故者として認められるには、適切な手順に沿って手続きを行い、家庭裁判所で認定を受ける必要があるのです。

本記事では、特別縁故者とは何か、認められるための要件や家庭裁判所での手続きの流れ、必要な証拠など、制度の本質を正しく押さえるためのポイントをまとめます。

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目次

    特別縁故者とは

    ● 特別縁故者とは

    特別縁故者とは、被相続人(亡くなった方)に相続人がおらず、遺言書もない場合において、被相続人と特別な関係があったと裁判上認められた人を指します。

    通常、亡くなった方の遺産は相続人が相続します。しかし、相続人が1人もおらず、遺言書で「財産はすべて〇〇に譲る(遺贈する)」といった指定もしていないような場合、財産を受け継ぐ人がいなくなってしまいます。

    このような場合に財産を受け取る候補者として登場するのが、特別縁故者です。

    具体的には、内縁の配偶者や生前に被相続人と同居していた人、療養看護に尽力した人、その他特別な縁故があると認められる人が該当します。特別縁故者として認められると、財産の全部または一部を受け取ることができます。

    この制度のポイントは、単なる知人や友人ではなく、被相続人と深い生活的・経済的結びつきがあったことを証明できるかどうかにあります。大阪市のような都市部では家庭環境が多様化している背景もあり、特別縁故者の制度が注目を集めています。制度の趣旨を理解し、正しい手続きを踏むことが納得できる相続の第一歩となります。

    ● 特別縁故者として認められるメリット

    相続人がおらず遺言もないような場合には、相続財産は国庫に帰属します。しかし、被相続人に長年の同居者がいた場合や、被相続人を長年療養介護していた方がいるような場合には、「全部国に行くのはおかしい」と感じることもあるでしょうし、遺族の生活の安定や故人の意思を尊重する観点からも、同様の意見が挙がるでしょう。

    特別縁故者の制度は、このような場合に遺産が国庫に帰属するのを防ぎ、被相続人に貢献した人へ遺産を分配する役割を担います。この制度により、被相続人と実際に密接な関係にあった人々が正当に報われる可能性が生じるのです。

    大阪市の事例でも、特別縁故者の申立てにより、長年の看護や生活支援が評価され、遺産が分与されたケースがみられます。特別縁故者の制度は、単なる形式的な手続きではなく、被相続人の最後の意思や生活実態を重視する実務的な意義があります。

    一方で、特別縁故者の主張が認められない場合もあるため、証拠準備や申立てのタイミングなど、専門家への早期相談が成功のポイントとなります。制度を正しく理解し、納得できる相続を実現しましょう。

    ● 特別縁故者として認められる要件

    特別縁故者として認定されるためには、法律で定められた以下の3つの要件のどれかに当てはまっている必要があります。

    • 被相続人と生計を同一にしていた
    • 被相続人の療養看護に努めていた
    • その他、被相続人と特別の縁故があった

    具体的には、被相続人と同居していた、生活費の援助をしていた、長期間にわたり看護を担っていた等の実績が評価されます。

    認められるための具体的な手続きの流れとしては、まず「相続人がいないこと」と「自分が客観的にみて特別縁故者として認められる証拠があるか」を確認したうえで、相続財産清算人選任申立てを行います。この申立てを行うと、家庭裁判所で相続人や債権者を探すための公告および相続財産清算人の選任が行われるので、その手続きのなかで、特別縁故者として遺産を受け取るための申立てをします。

    申立てには、支援の内容や期間を証明する書類、関係者の証言などが必要です。証拠が十分でない場合、認定が難しくなるため、事前に具体的な支援の記録や、第三者の証言といった証拠を用意することが重要です。

    ● 特別縁故者として認められないケース

    特別縁故者として認められるには、被相続人と生計を同一にしていたり、被相続人の療養看護に努めていたりといった特別の縁故が必要です。また、そのような関係にあったことを第三者に証明するための資料も必要です。

    たとえ相続人がおらず遺言がないような場合であっても、「被相続人との関わりが薄い」「証拠が不十分だ」といったケースでは、特別縁故者への遺産の分配は認められません

    また、審査の過程で請求者が遺言書を偽造していたといった不正行為が判明した場合にも、請求が認められないことがあります。さらには「遺言がないと思っていたが後から見つかって手続きが中止になった」といった事例も考えられますので、申立ての前に遺言がないかをよく捜索するほか、公証役場や法務局で照会をかけてみるとよいでしょう。

    特別縁故者の要件をさらに詳しく

    ● 特別縁故者として認められるための要件

    特別縁故者とは、法定相続人が存在しない場合に、被相続人と生前に特別な関係性を有していたと認められる人を指します。この特別縁故者の認定は家庭裁判所が厳格に行うため、要件を正確に理解することが不可欠です。

    主な要件として、被相続人と生計をともにしていた事実や、長期間の療養看護・生活支援の実績など、単なる知人や遠縁の親族以上の密接な関与が求められます。たとえば、内縁の配偶者や長年同居して介護をしていた人が該当することが多いです。

    これらの要件を満たすかどうかは、生活実態や支援内容の具体性によって判断されます。形式的な関係だけでなく、被相続人の生活や療養を支えてきた証拠が重要となるため、事前に自身の状況を整理しておくことが大切です。

    以下に、民法上の要件を1つずつ取りあげていきます。

    ● 要件その1:被相続人と生計を同じくしていたこと

    まずは「被相続人と生計を同じくしていたこと」です。生計を同じくしていたとは、同居している・扶養されていたなど、同じ家計に属していた状態を指します。「同じ財布を使っている」とも言い換えられるでしょう。

    具体的には、内縁の配偶者や養子縁組していない連れ子、子どもの配偶者(同居していた長男の妻など)、結婚していない男女の間に生まれた子などが同居しているようなケースが当てはまります。

    ※ 養子については、養子縁組をしていたら相続人に該当するため、特別縁故者の手続きは不要ですので注意してください。

    認定されるか否かのポイントは、「実態として生計を同一としていたといえるかどうか」です。その事実を証明するために、考えられる証拠の例は以下のとおりです。

    • 長年同居していたことがわかる住民票
    • 家計簿や通帳の履歴など、生活費の状況がわかるもの
    • 家賃や水道光熱費の領収書
    • 被相続人とのメールやメッセージアプリでのやり取りの履歴
    • 第三者の証言 など

    ● 要件その2:被相続人の療養看護に努めていたこと

    次は「被相続人の療養看護に努めていたこと」です。療養看護に努めていたとは、被相続人に介護が必要となった場合や被相続人に障害がある場合において、その世話をしていたようなケースを指します。

    具体的には、長年にわたる日常生活の介助(食事、入浴、外出のための介助など)、毎日の医療的な行為のサポート(たんの吸引、人工呼吸器の管理、体位変換など)をしていた人が対象です。ただし、適正な報酬を受け取っていた場合や、介護士といった職業としてしていた場合は対象外です。

    認定されるか否かのポイントは、「自らの生活を犠牲にして献身的に世話をしていたかどうか」です。その事実を証明するために、考えられる証拠の例は以下のとおりです。

    • 日記や介護日誌
    • 医療費や交通費の領収書
    • 被相続人とのメールやメッセージアプリでのやり取りの履歴
    • 第三者の証言 など

    ● 要件その3:その他被相続人と特別の縁故があったこと

    最後の要件は、前の2つを補完するものであり、「家計は別で療養看護をしていたわけではないが、特別の縁故があるといえる」ようなケースです。法律上、この要件であれば法人でも請求することができる点が特徴です。

    先例では、長年にわたって被相続人の成年後見人をしていた方や、長年親代わりをしていたが現在は離れて暮らしている方、相続財産の形成に多大な貢献をした方などが特別縁故者として認められています。

    判断基準は、先の2つの要件に準ずる程度に被相続人との間に密接な関わりがあるかどうかであり、この基準を満たしていることを、客観的な証拠を提示して証明していきます。

    特別縁故者が財産分与を求める手続き

    ● 特別縁故者が財産を受け取るまでの流れ

    「自分は特別縁故者だと思うから財産を受け取りたい」と思い立ったら、具体的に以下のような手順で手続きをしていきます。

    1. 相続人がいないことの確認と証拠の整理
    2. 相続財産清算人選任申立て
    3. 相続人や債権者を捜索するための公告
    4. 特別縁故者に対する財産分与の申立て
    5. 特別縁故者としての認定と財産の受取り

    それぞれのステップにおいて注意点がありますので、より詳しくみていきましょう。

    ● ステップ1:相続人がいないことの確認と証拠の整理

    まずは、相続人がいないことを確認し、自分が特別縁故者だと証明するための証拠を整理します。

    特別縁故者の認定は、相続人不存在による相続財産清算人選任申立てのなかで行われます。相続財産清算人とは、相続人がいない人の相続財産を管理し、債務や特別縁故者への清算を行ったあと、国庫に帰属させる手続きを担う人です。一般的には、弁護士や司法書士といった専門家が選ばれます。

    その申立ての準備のため、まずは被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集めて、被相続人に相続人がいないことを確認しなければなりません。ただし、戸籍の請求は相続人や利害関係者にのみ認められており、「特別縁故者の申立て予定である」というだけでは戸籍を請求することができません。戸籍を集められなければ、裁判所に申し立てた後、裁判所の権限で調査することになります。ただし、「被相続人の医療費を立て替えていた」「被相続人の賃貸借契約や携帯電話の契約を解約したい」といった場合、利害関係者として戸籍の請求が認められることもあります。被相続人の住所地や本籍地のある市区町村役場に問い合わせてみましょう。

    そして同時に、自分が特別縁故者だと証明するための証拠を集めなければなりません。特別縁故者の認定では、事情を知らない家庭裁判所に「こんな証拠があるなら確かに特別縁故者といえるだろう」と思ってもらう必要があります。そのためにも、客観的に被相続人との関係性がわかる証拠や、証言をしてくれる証人を準備しておきましょう。

    とはいえ、何が証拠になるのか、どのような流れで手続きが進んでいくのかといったことは、専門家でなければ難しい部分があります。不安な方は、この段階から弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

    ● ステップ2:相続財産清算人選任申立て

    準備が整ったら、申立書一式を作成し、相続財産清算人選任申立てを行います。申立書の提出先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

    申立書の書式や必要書類の内容は家庭裁判所のホームページにも掲載されていますので、申立前に確認しましょう。

    具体的な必要書類は、以下のとおりです。

    • 申立書
    • 被相続人に相続人がいないことがわかる戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、被相続人の父母の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、被相続人の祖父母の死亡の記載のある戸籍謄本、被相続人の兄弟姉妹が死亡している場合にはその兄弟姉妹の出生から死亡までのすべての戸籍謄本 など)
    • 被相続人の住民票の除票
    • 相続財産の内容がわかる資料
    • 収入印紙800円分
    • 郵便切手(管轄の家庭裁判所によって異なる)

    その他、裁判所の指示に従って「官報公告料」や「予納金」を納める必要があります。予納金の額は相続財産の額や内容によって異なりますが、数十から百万円程度になることもあるので、事前にコストの算段をしておきましょう。

    ● ステップ3:相続人や債権者を捜索するための公告

    相続財産清算人が選任されたら、相続人や債権者がいないかどうかを確認する作業が始まります。

    遺産の分配は、相続人→被相続人の債権者→特別縁故者の順で行われます。つまり、この確認の過程で相続人が見つかったり、相続財産に対して請求権をもつ債権者が見つかったりすると、特別縁故者に分配する遺産が残らないこともあります

    相続人や債権者の捜索は、官報に公告をする方法で行われます。官報は国が発行する新聞のようなもので、実際に官報を見て名乗り出る人はほとんどいませんが、法律上、相続人や債権者の権利を守るために必要な手続きなのです。

    この公告は、相続人については6か月以上、債権者については2か月以上実施されます。

    ● ステップ4:特別縁故者に対する財産分与の申立て

    公告が終了して相続人の不存在が確定すると、いよいよ特別縁故者の申立てができるようになります。特別縁故者であることを認めてもらうための申立ては、正式には「特別縁故者に対する相続財産分与の申立て」といいます。この申立ては、相続人を捜索するための官報公告期間の満了から3か月以内にしなければなりませんので、期限には注意してください。

    申立ての際には、申立書のほか、申立人の戸籍謄本と住民票、被相続人との関係を具体的に示す資料(ステップ1で準備した証拠)を提出します。書類については後から追加提出を求められることもありますが、申立ての期限を過ぎてしまうと受付すらしてもらえないので、期限は確実に守るようにしましょう

    ● ステップ5:特別縁故者としての認定と財産の受取り

    家庭裁判所での審査を経て特別縁故者であることが認められると、被相続人の遺産の全部または一部を受け取ることができます。

    受け取れる金額や遺産の割合は、被相続人との関係の深さや、被相続人への貢献度合いを総合的に評価して、判断されます。たとえ相続人や債権者がおらずとも、全額を受け取れるとは限らない点に注意してください。

    なお、特別縁故者への財産分与を行ってもなお余った相続財産は、国庫に帰属します。

    特別縁故者の注意点

    ● 重要なのは「期限」と「証拠」

    最後に特別縁故者の制度に関する注意点をまとめます。

    まずは、申立ての際に「期限」と「証拠」に気をつけなければならないという点です。

    相続人不存在の公告後、3か月以内に特別縁故者の申立てがない場合、残された財産は国に引き継がれます。財産が国庫に帰属した後は、取り戻すことができませんので、少しでも該当の可能性がある方は、早めに専門家へ相談し、申立ての準備を進めることがリスク回避につながります。

    また、特別縁故者として相続財産の分与を受けるためには、家庭裁判所で厳格な審査を受ける必要があります。しかし、被相続人との間に「特別な縁故」があると客観的に認められない場合や、証拠書類が不足している場合には、申立てが認められないおそれがあります。関係性や貢献の内容を具体的に記録・保存しておくことが不可欠です。

    ● 全額の分与は認められないこともある

    特別縁故者が相続財産の全額を取得できるかどうかは、被相続人との関係性や支援実績の内容・程度によって異なります。家庭裁判所は、特別縁故者がどれほど被相続人の生活や療養に寄与したかを総合的に判断します。

    たとえば、長年の介護や生計同一が認められ、他に特別縁故者がいない場合などは、遺産の全額取得が認められるケースも報告されています。しかし、複数の特別縁故者がいる場合や、支援内容が限定的である場合は、遺産の一部のみが分与されることもあります。

    全額取得を目指す場合には、支援の継続性や生活実態を示す証拠を十分に準備し、申立書に具体的な事情説明を添えることが重要です。申立ての際は専門家の助言を受けることで、認定の可能性を高めることができるでしょう。

    ● 相続税がかかることも

    特別縁故者として遺産を受け取った場合、遺産の額が基礎控除額である3,000万円を超えていると、相続税の申告と納付をしなければなりません。この場合の相続税の申告期限は、特別縁故者が相続財産を受け取れることを知った日の翌日から10か月以内です。亡くなってから10か月ではないので、その点については安心してください。

    一方、特別縁故者は相続人ではないので、相続税における様々な特典(控除)が受けられません。受けられない控除としては、以下のようなものがあります。

    • 配偶者控除
    • 未成年者控除、障害者控除
    • 相次相続控除
    • 小規模宅地等の特例

    また、「相続税が2割加算される」「不動産取得税が生じる」「登録免許税が高くなる」といった注意点もあります。相続税が発生するような場合には、あらかじめ税理士などの専門家に相談し、相続税申告が速やかに行えるよう準備してください。

    まとめ

    大阪市では、人口の多さと高齢化により相続人がいないケースが増加しています。特に単身高齢者の増加や家族との疎遠化が進むなか、特別縁故者の制度がより一層注目を集めるでしょう。

    また、大阪市は不動産や金融資産が多様で、遺産分与の対象となる財産も多岐にわたるため、特別縁故者の申立てが実務上重要な意味を持っています。公告や財産清算人の選任、証拠書類の整備など、手続き上の注意点も多いです。

    納得できる相続のためには、手続きの流れや必要な証拠を早めに確認し、専門家と連携して進めていきましょう。

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