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いわゆる「権利証」、登記識別情報と登記済証は何が違う?

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いわゆる「権利証」、登記識別情報と登記済証は何が違う?

いわゆる「権利証」、登記識別情報と登記済証は何が違う?

2026/10/20

不動産を購入したときや相続したときに、「権利証」と呼ばれる書類を受け取ったことがある方もいるのではないでしょうか。

実は、現在「権利証」と呼ばれているものには、「登記済証」と「登記識別情報」の2種類があります。どちらも不動産の登記手続きで重要な役割を持っていますが、書類の形式や制度上の仕組みは異なります。

本記事では、登記識別情報と登記済証の違いや交付される時期、紛失した場合の対応、保管するときの注意点についてわかりやすく解説します。

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目次

    「権利証」とは?

    ● 「権利証」は不動産の権利に関係する重要な書類

    「権利証」とは、不動産の所有者などが登記手続きを行う際に、本人確認のために利用される重要な書類や情報を指す一般的な呼び方です。

    たとえば、不動産を売却するときや、住宅ローンを利用するために不動産に抵当権を設定するときなどに、登記識別情報または登記済証が必要になることがあります。

    これらのいわゆる「権利証」は、不動産の登記手続きにおいて、登記名義人本人による申請であることを確認するために利用される重要な書類・情報です。ただし、権利証を持っていることだけで、現在の所有者等であることの証明となるわけではなく、不動産の所有者や抵当権などの権利関係は登記記録によって確認することが基本です。登記記録によって不動産の権利関係を確認するとともに、登記手続きでは、登記識別情報や登記済証などを用いて、登記名義人本人による申請であることを確認するのです。

    ● 「権利証」は正式な法律用語ではない

    「権利証」という言葉は一般に広く使われていますが、法律上の正式な名称ではありません。

    不動産登記の制度では、従来の「登記済証」と、現在の制度で用いられる「登記識別情報」があります(どちらもくわしくは後述します)。これらは異なる仕組みによるものですが、どちらも一般に「権利証」と呼ばれています。

    そのため、不動産の売却や相続などの手続きを進める際には、手元にある書類が登記済証なのか、登記識別情報なのかを確認するとよいでしょう。

    ● 「権利証」が必要になるのはどのようなとき?

    権利証は、登記上の義務者となる人などが登記手続きを行う際に、本人確認のために利用されます。

    具体的には、次のような手続きが挙げられます。

    • 不動産を売却して所有権を移転するとき
    • 不動産を贈与して所有権を移転するとき
    • 不動産に抵当権を設定するとき(所有者側)
    • 不動産に設定した抵当権を抹消するとき(抵当権者側)

    一方、不動産を相続したことによる所有権移転登記では、原則として被相続人の権利証は必要ありません。相続による権利の取得は、戸籍などの必要書類によって確認するためです。

    ただし、具体的な登記手続きによって必要書類は異なります。不動産の名義変更を検討している場合には、手続きの内容に応じて確認することが大切です。

    登記識別情報と登記済証の違い

    ● 登記済証とは?

    登記済証とは、従来の不動産登記制度において、登記が完了した際に登記所から交付されていた書面です。一般的には登記申請書と一体になっており、表紙に「不動産登記済証」「登記済権利証」などと記載されていることが多くなっています。

    従来の制度では、登記申請に使用した書面に登記済みであることを示す印などが付され、登記完了後に返却される形で交付されていました。

    登記済証には、不動産の所在地や登記の内容などが記載されていることがあります。書類の形式は登記の時期や内容によって異なり、古い書類では現在のものとは見た目が大きく異なる場合もあります。

    ● 登記識別情報とは?

    登記識別情報とは、登記によって新たに登記名義人となった人などに対して、登記所から通知される情報です。

    登記識別情報は、アラビア数字などの符号を組み合わせた12桁の符号(パスワードのようなもの)で、不動産および登記名義人となった申請人ごとに定められます。

    登記識別情報は、登記済証のような書面そのものではなく、登記手続きで本人確認に利用される情報です。通常は「登記識別情報通知書」という書面で交付され、符号は見えないように目隠しされていますが、本人確認に利用するのはその通知書自体ではなく、目隠しシールをはがした下に記載された符号です。

    そのため、通知書自体だけでなく、記載された符号を第三者に知られないように管理する必要があります。

    ● 登記識別情報と登記済証は交付・通知される時期が異なる

    登記識別情報と登記済証の大きな違いは、交付・通知される時期です。

    従来の不動産登記制度では長らく登記済証が交付されていましたが、平成16年に公布された改正不動産登記法によって登記識別情報の制度が導入され、平成17年以降、登記所ごとに順次移行が進められました。

    具体的にどのように変わっていったのか、詳しくは後述します。

    ● 登記識別情報と登記済証の見た目の違い

    登記識別情報と登記済証は、見た目にも違いがあります。

    登記済証は、登記済みであることを示す印などが付された書面です。登記申請書の一部が返却されたものや、登記済みの印が押された書類など、さまざまな形式があります。

    一方、登記識別情報は、12桁の符号が記載された情報です。書面で交付される場合には、符号の部分に目隠しシールが貼られていることがあります。

    ただし、交付された時期や申請方法によって書類の形式は異なります。見た目だけで判断できない場合には、書類の記載内容を確認したり、司法書士などの専門家に相談したりするとよいでしょう。

    ● 登記識別情報と登記済証はどちらも権利証として使われる

    登記識別情報と登記済証は、異なる制度によるものですが、いずれも登記手続きにおける本人確認のために利用されます。

    登記済証は従来の制度で交付された書類であり、登記識別情報は現在の制度で通知される情報です。

    登記済証は制度の変更後も有効であり、必要な登記手続きで引き続き利用できます。古い登記済証を持っているからといって、登記識別情報に交換する必要はありませんし、交換することもできません。

    なお、登記識別情報や登記済証は、どちらも紛失した場合に再通知・再発行を受けることが原則としてできません。大切に保管しましょう。

    登記識別情報と登記済証はいつ交付される?

    ● 登記済証は従来の登記制度で交付されていた

    登記済証は、平成17年に改正不動産登記法が施行される前から用いられていた書類です。

    従来の制度では、不動産の売買や贈与などによって登記を申請し、その登記が完了すると、登記済みであることを示す印などが付された書面が返却されていました。

    この書類が、一般に「権利証」と呼ばれてきたものです。改正法の施行後も、登記識別情報を通知する仕組みへの移行が完了するまでは、登記済証が交付されていました。

    ● 登記識別情報は平成17年の法改正で導入された

    登記識別情報は、平成16年に公布された改正不動産登記法によって導入され、平成17年の施行によって利用が開始されました。

    この改正では、従来の登記済証に代わる本人確認の仕組みとして、登記識別情報の制度が設けられました。背景には、オンラインによる登記申請を導入することなど、不動産登記制度を見直す目的がありました。

    ただし、改正法の施行日に、全国の登記所で一斉に登記識別情報の通知が始まったわけではありません。オンライン申請に対応する登記所が順次指定され、それぞれの登記所で制度の移行が進められました。

    ● 登記識別情報への移行は登記所ごとに順次進められた

    登記識別情報を通知する仕組みへの移行は、登記所ごとに段階的に実施されました。

    法務省の案内によると、平成17年3月にさいたま地方法務局上尾出張所が最初のオンライン庁として指定されました。その後、オンライン庁の指定が順次進み、平成20年7月までにすべての登記所が指定されています。

    そのため、平成17年3月以降に登記がされた不動産であっても、登記所の制度移行前であれば登記済証が交付されている場合があります。登記識別情報が通知されたかどうかは、不動産を取得した年だけでなく、登記を申請した登記所や申請の時期なども関係するのです。

    ● 不動産の取得時期によって保有する書類が異なる

    このような経緯があるため、不動産を取得した時期によって、手元にある権利証の種類が異なる場合があります。

    たとえば、制度移行前に登記をした方は登記済証を保管していることがあり、制度移行後に登記をした方は登記識別情報の通知を受けていることがあります。

    また、相続や贈与などによって不動産を取得した場合も、登記の時期や内容によって交付・通知されるものが異なります。さらに、同じ人が複数の不動産を所有している場合、物件ごとに異なる種類の権利証を保管していることもあります。

    そのため、手元にある権利証がどちらなのかを確認する際には、不動産を取得した時期だけで判断せず、書類の記載内容も確認するとよいでしょう。

    登記識別情報や登記済証を紛失した場合は?

    ● 登記識別情報や登記済証を紛失しても所有権は失われない

    登記識別情報や登記済証を紛失したとしても、それだけで不動産の所有権を失うわけではありません。

    これらは、登記手続きにおける本人確認のために利用されるものであり、不動産の所有権そのものを表すものではないためです。

    ただし、不動産を売却する場合など、登記識別情報や登記済証が必要になる手続きでは、別の方法で本人確認を行う必要があります。

    紛失したからといって、直ちに不動産を売却できなくなるわけではありませんが、通常とは異なる手続きが必要になる場合があるため、早めに司法書士などへ相談するとよいでしょう。

    ● 登記識別情報を紛失した場合の注意点

    登記識別情報を紛失した場合、原則として再通知を受けることはできません。

    また、登記識別情報の符号を第三者に知られてしまった場合には、不正な登記申請に利用されるおそれがあります。符号が盗み見られたなど、不正利用が心配な事情がある場合には、登記官に対して登記識別情報の失効の申出をすることができます。

    ただし、失効の申出をすると、その登記識別情報は利用できなくなります。手続きを行う前に、状況を整理したうえで法務局や司法書士などに相談するとよいでしょう。

    ● 登記済証を紛失した場合の注意点

    登記済証を紛失した場合も、原則として再発行を受けることはできません。

    登記済証は従来の制度で交付された書類であり、紛失したからといって、現在の登記識別情報が新たに通知されるわけでもありません。

    将来、不動産の売却や抵当権の設定などを行う際には、登記済証を提出できないことを前提として、別の本人確認手続きを利用することになります。

    なお、登記済証を紛失したことだけで所有権を失うわけではありません。まずは不動産の登記記録を確認し、必要な手続きについて専門家に相談しましょう。

    ● 権利証を紛失した場合に利用できる代替手続き

    登記識別情報や登記済証を提供できない場合でも、一定の条件のもとで登記手続きを進めることができます。

    代表的な方法として、法務局から登記名義人に通知を送り、本人からの申請であることを確認する「事前通知制度」があります。また、司法書士などの資格者代理人が本人確認を行い、その内容を記載した「本人確認情報」を提供する方法や、公証人による認証を利用する方法もあります。

    どの方法を利用するかによって、手続きの流れや費用、必要な準備などが異なります。特に不動産の売却では、取引の日程に影響する可能性もあるため、権利証を紛失していることがわかった段階で、早めに司法書士へ相談することをおすすめします。

    登記識別情報や登記済証を保管するときの注意点

    ● 登記識別情報は第三者に知られないように管理する

    登記識別情報は、登記手続きで本人確認に利用される重要な情報です。第三者に知られると、不正な登記申請に利用されるおそれがあるため、厳重に管理する必要があります。

    書面で交付された登記識別情報通知書には、符号を隠すための目隠しシールが貼られていることがあります。特に必要がなければ、シールをはがさずに保管するとよいでしょう。

    すでにシールをはがしている場合には、符号が第三者に見られないよう、封筒などに入れて保管する方法も考えられます。

    ● 登記済証は重要書類として安全に保管する

    登記済証も、不動産の登記手続きで利用する重要な書類です。紛失や盗難を防ぐため、ほかの重要書類とあわせて、安全な場所に保管しましょう。

    ただし、登記済証は古い書類であることも多く、紙の劣化や破損が生じる可能性があります。無理に折り曲げたり、不要な書き込みをしたりせず、状態を保つようにしましょう。

    また、複数の不動産を所有している場合には、どの書類がどの不動産に関するものなのかを整理しておくと、将来の売却や名義変更の際に役立ちます。

    ● 権利証を他人に預けるときは慎重に判断する

    不動産の売却や登記手続きでは、司法書士などの専門家に権利証を預けることがあります。

    一方で、権利証は重要な書類・情報であるため、預ける相手や目的を確認することが大切です。依頼内容が明確でないまま渡したり、面識のない相手に安易に預けたりすることは避けましょう。

    また、登記識別情報については、通知書そのものだけでなく、記載された符号の管理にも注意が必要です。手続きを依頼する場合には、どのような目的で必要なのか、どのように取り扱われるのかを確認しておくと安心です。

    まとめ

    「権利証」とは一般的な呼び方であり、従来の「登記済証」と、現在の制度で用いられる「登記識別情報」があります。どちらも登記手続きで本人確認に利用されますが、書類の形式や制度上の仕組みが異なります。

    登記識別情報や登記済証を紛失しても、それだけで不動産の所有権を失うわけではありません。ただし、再発行・再通知は原則としてできず、登記手続きでは別の本人確認方法が必要になる場合があります。

    大切な不動産に関する書類・情報だからこそ、違いを理解したうえで適切に保管し、紛失などで不安がある場合には司法書士などの専門家に相談しましょう。

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