ひろはた司法書士事務所

相続で認知症の相続人がいる場合の成年後見人選任と遺産分割協議の進め方

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相続で認知症の相続人がいる場合の成年後見人選任と遺産分割協議の進め方

相続で認知症の相続人がいる場合の成年後見人選任と遺産分割協議の進め方

2025/10/07

相続が発生した際に、相続人が認知症という状況を想像したことはありますか?

人口の多い大阪市では多様な相続人の構成が見られますが、中でも認知症の相続人がいる場合には、成年後見人の選任が必要になるなど、手続きが複雑になりがちです。

本記事では、家庭裁判所での成年後見人選任手続き、成年後見人が参加する遺産分割協議、さらにその後の流れを整理し、現実的かつ安心できる相続手続きの進め方を詳しく解説します。複雑な状況下でも適切な判断ができる知識と実践的なポイントが得られる内容です。

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遺産整理、遺言、生前贈与、家族信託など、相続と生前対策に関するお手続きに幅広く対応しております。
お客様一人ひとりの状況に合わせて柔軟にサポートし、幅広いお悩みに向き合いますので、お気軽にご相談ください。

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目次

    認知症の相続人がいる場合に必要な手続き

    認知症の相続人がいる場合の相続手続き準備

    ● 相続人の高齢化

    近年は平均寿命がのびていることもあり、相続が発生した際に、相続人が高齢であるケースが増えています。特に子どもがいない方が亡くなって兄弟姉妹が相続人となるようなケースでは、相続人が80歳を超えていることも通常であり、そのなかに認知症の方がいることも珍しくはありません。

    相続において、認知症の相続人がいる場合は通常の手続きとは異なる準備が必要です。なぜなら、遺産分割協議などの相続手続きでは相続人全員の法的な合意が必須となり、認知症で判断能力が不十分な場合は、そのまま手続きを進めることができないからです。大阪市でもこうしたケースは少なくなく、事前の情報収集と専門家への相談が重要です。

    成年後見人が必要となる相続のポイント解説

    ● 認知症の相続人がいる場合に必要な手続き

    認知症の相続人がいる場合、主な課題は「遺産分割協議が本人の同意なしには進められない」ことです。判断能力が不十分なため、本人の意思確認ができず、協議が停滞するケースが多く見られます。大阪市でも、こうした課題に直面したご家族からの相談が増加しています。

    このような場合には、その相続人のために家庭裁判所を通じて成年後見人を選任し、その成年後見人が代わりに遺産分割協議に参加することになります(保佐人や補助人が参加するケースもありますが、本記事では成年後見人にしぼってお伝えします)。

    とはいえ、「認知症だから必ず成年後見人が必要」というわけではありません。認知症の症状には軽度なものもあるので、家族だけで判断せず、医師の診断書や専門家の意見をもとに、適切な手続きを選択することが後悔しないためのポイントとなります。

    相続発生後は迅速に状況を把握し、必要に応じて家庭裁判所への成年後見人選任申立てを検討しましょう。慣れない手続きに不安を感じる方も多いですが、司法書士などの専門家へ相談することで、スムーズな進行が期待できます。

    相続における認知症の方の権利の守り方とは

    ● なぜ成年後見人が必要?

    認知症の相続人がいて自力での相続手続きが困難な場合に成年後見人の選任が必要となる主な理由は、その相続人が自らの権利を適切に主張し、遺産分割協議に参加できないためです。成年後見人は、本人の利益を守る立場から遺産分割の手続きを代理して行います。大阪市でもこの制度の利用は年々増加しており、相続人の権利保護の観点からも重要な役割を果たしています。

    成年後見人が選任された場合、遺産分割協議は成年後見人を含めて行う必要があります。成年後見人の立場は、認知症の相続人本人の意思や利益を最大限尊重し、他の相続人との調整役も担います。実際、専門職後見人が選ばれるケースもあり、家庭裁判所の判断によって適任者が決定されます。

    また、成年後見人の活動は遺産分割協議にとどまらず、相続手続き全般にわたって本人の財産管理や生活支援を担います。こうした制度を利用することで、家族全体が安心して相続に臨むことができます。

    相続手続きの流れと認知症対応の基本知識

    ● 成年後見人選任申立て

    認知症の相続人がいる場合の相続手続きは、通常の流れに加え「成年後見人の選任」というステップが加わります。まず、家庭裁判所に成年後見人の選任申立てを行い、選任が認められるとその後に遺産分割協議を進めていく形となります。

    成年後見人が就任した後は、遺産分割協議に正式に参加し、協議内容を慎重に審査・承認します。協議終了後も、成年後見人は財産の管理や分配の履行状況を引き続き監督します。これにより、認知症の相続人の利益がしっかりと守られる仕組みです。

    注意点として、成年後見人が選任されるまでは遺産分割協議がストップするため、早めの申立てが望ましいです。申立ての際には、本人の状況や資産内容、相続関係を明確に整理しておくことがスムーズな手続きにつながります。

    相続で認知症の家族がいる際の判断基準とは

    認知症の相続人に必要な判断基準を解説

    ● 成年後見人が必要かどうかの判断基準

    相続手続きを始める際、相続人の中に認知症の方がいる場合は、その方の判断能力が手続きにどの程度影響するかを正しく見極めることが不可欠です。認知症と診断されたとしても、すぐに成年後見人が必要になるわけではありません。判断基準は、相続人本人が遺産分割協議などの重要な法律行為を理解し、自らの意思で決定できるかどうかです。

    例えば、軽度の認知症で日常生活には支障がないが、複雑な財産分割の内容が理解できない場合、家庭裁判所が専門医の診断書などを参考に判断を下します。判断能力が不十分と認められた場合のみ、成年後見制度の利用が検討されます。この判断は家族の主観だけでなく、客観的な診断や証拠が求められるため、慎重な対応が必要です。

    相続手続き開始前にすべき認知機能の確認

    ● 医師の診断書の重要性

    相続手続きを進める前に、認知症の疑いがある相続人については、まず医師による診断を受けることが重要です。これは、遺産分割協議などの法律行為に本人が適切に参加できるかを客観的に判断するためです。

    専門医の診断書は、後の成年後見人選任申立ての際にも必要となりますし、協議の正当性を証明する根拠資料となります。なお、成年後見人選任申立てに必要な診断書は裁判所所定の形式のものとなりますので、事前に裁判所のホームページからダウンロードし、医師に渡し、「成年後見人のための診断書を作ってほしい」という旨を伝えましょう。

    家族内で「まだ大丈夫」と判断しがちですが、後日トラブルを防ぐためにも、第三者による評価を積極的に取り入れることが推奨されます。特に大阪市のような都市部では、医療機関や専門家が多く、早期の相談がしやすい環境です。万一、判断能力に問題がないと診断された場合は、通常通り相続手続きを進めることができます。

    成年後見人選任が必要か判断するポイント

    ● 不安な場合は専門家へ相談を

    認知症の相続人がいる場合の相続手続きは、通常よりも慎重な対応が求められます。まず、認知機能の確認を医師に依頼し、その診断結果をもとに、必要であれば家庭裁判所へ成年後見人選任の申立てを行います。

    成年後見人が選任された後は、遺産分割協議に成年後見人が参加し、協議成立後も成年後見人の職務は続きます。相続手続き完了後も、被後見人の財産管理などの業務が残る点に注意が必要です。

    この一連の流れを円滑に進めるためには、専門家(司法書士や弁護士など)への早期相談が有効です。成年後見制度の利用には公的な手続きや証明書類の準備が必要となるため、手続きの遅延やトラブルを防ぐためにも、実務経験豊富な専門家のサポートを受けることをおすすめします。

    成年後見人が必須となる遺産分割の特徴と進め方

    成年後見人が参加する相続の特徴と流れ

    ● 成年後見人が参加する遺産分割協議の特徴

    相続人の中に認知症の方がいる場合、遺産分割協議を進める際には特別な対応が必要となります。認知症により判断能力が不十分な方は、自分の権利を適切に主張できないため、成年後見人が代理人として相続手続きに参加します。

    成年後見人は家庭裁判所の選任を経て、相続人本人の利益を守る立場として協議に加わるのが特徴です。成年後見人はあくまで「意思表示が困難な本人を守る」という目的のために働くので、基本的に、本人固有の法定相続分を下回る財産しかもらえないような遺産分割協議には合意することができません。成年後見人は他の相続人との利害調整を行いながら、協議内容が本人にとって不利益にならないか慎重に検討します。

    こういった点が通常の遺産分割とは大きく異なり、成年後見人が参加することで、遺産分割協議の自由度が大きく下がってしまうという事実があるのです。

    認知症の相続人と遺産分割協議の注意点

    ● 成年後見人をつけずに相続手続を進めるとどうなる?

    相続人に認知症の方がいる場合、その方のために成年後見人を就任させて、その成年後見人が遺産分割協議に参加することになります。この手続きを行わないでいると、以下のような事態が起こり得ます。

    ・遺産分割協議ができず、相続財産の名義変更や管理処分行為ができない
    ・遺産分割協議ができないまま時間が経ち、相続人が増え、相続財産や権利関係があやふやになる
    ・認知症の方を無理に遺産分割協議に参加させ、協議が無効になる

    「認知症になった場合、子どもが自動的に相続人になるのでは?」という誤解もありますが、相続手続きにおいて、認知症の相続人がいる場合でもその相続権は失われません。相続人の子供が自動的に代襲相続人になることはなく、必ず成年後見制度を利用する必要があります。

    成年後見人が必要な相続のケーススタディ

    ● 成年後見人選任までの流れ

    成年後見人を選任するためには、家庭裁判所指定の申立書類を整えて、成年後見人選任申立てを行います。主な書類としては、申立書、本人の診断書(認知症の診断が必要)、戸籍謄本、住民票、財産目録、収支予定表、親族関係図などが挙げられます。

    特に診断書は、医師による詳細な判断能力の記載が求められるため、早めに医療機関に依頼しておくことが重要です。財産目録には、不動産や預貯金などの詳細情報を漏れなく記載します。親族関係図も、全ての関係者が正しく把握できるように作成することが求められます。

    書類の不備や記載ミスがある場合、再提出や追加資料の提出を求められることがあり、結果として選任までの期間が延びてしまうリスクがあります。大阪市の家庭裁判所や成年後見センターなどの相談窓口を活用し、事前に必要書類のチェックリストを確認しておくことが、スムーズな手続きのポイントです。

    申立後、家庭裁判所での審理が行われます。審理では本人の判断能力や生活状況、親族構成、成年後見人候補者の適格性などが総合的に判断されます。家庭裁判所は、医師の診断書をもとに認知症の程度を確認し、本人の利益を最優先に考えて後見人を選任します。しばしば、親族が候補者となる場合は、その信頼性や過去の経歴、親族間の意見調整状況も重視されます。

    注意点として、成年後見人の選任には一定の期間と手続きがかかるため、余裕を持った準備が重要です。専門家への相談を早めに行うことで、円滑な協議が実現できます。

    遺産分割における成年後見人の役割と実務

    ● 選任後、遺産分割協議への参加の流れ

    選任後は、家庭裁判所から正式な選任審判書が交付され、これにより成年後見人が相続手続きに参加できるようになります。審理期間は、申立てから1〜2ヶ月程度が一般的ですが、書類の不備や親族間の争いがあると長期化する点に注意が必要です。

    一度選任されると、成年後見人は本人が行う法律行為をすべて代理することができるので、遺産分割協議にも「本人の法定代理人」という立場で参加することができます。成年後見人が参加することで、意思表示ができない本人の利益を守り、不公平な分割や不利益が生じるリスクを回避した遺産分割協議が可能です。遺産分割協議書にも、本人に代わって、成年後見人が署名・捺印することになります。

    また、成年後見人の業務は遺産分割終了後も続きます。長期的な視点でよい関係を築き、情報交換をし合うことで、その後の本人の生活も安定したものとなるでしょう。

    相続人が認知症の場合の分割協議の進め方

    ● 申立時のポイント

    認知症の相続人に対して成年後見人を選任する際は、申立ての段階でいくつか注意すべきポイントがあります。

    まず、親族間で事前に意見調整を行い、成年後見制度について共通認識を持つことが大切です。なぜ成年後見人が必要か、どのような役割・権限をもつのか、といった事項を共有し、認識をともにしましょう。

    また、成年後見人は、遺産分割協議のための一過性のものではなく、遺産分割協議が終わった後にも、本人の財産管理や生活支援、権利擁護など、日常的な業務が継続します。申立時には候補者を選ぶこともできますが、単に相続手続きのためだけでなく、長期的な支援を見据えた候補者選びや準備が必要となります。大阪市のような都市部では、介護や医療との連携も重要な要素となります。

    さらに、後見人の選任には家庭裁判所の判断が介在するため、候補者の信頼性や適格性が重視されます。選任までの期間や手続きの煩雑さを考慮し、早期の準備と専門家への相談が失敗を防ぐ鍵となります。

    遺産分割協議に成年後見人が加わる際の注意点

    成年後見人参加時の相続協議注意事項まとめ

    ● 時間がかかる

    認知症の相続人がいる相続協議では、手続きの遅延や意思確認の困難、家族間のトラブルなどが起こりやすいです。とくに成年後見人の選任までに時間がかかることで、協議が長引くケースが目立ちます。

    こうした問題を防ぐには、相続開始前から成年後見制度について情報収集し、必要に応じて専門家へ相談することが有効です。大阪市でも、司法書士や弁護士事務所への早期相談がスムーズな解決につながっています。

    また、協議内容を文書で明確に残し、全員の合意を丁寧に確認することでトラブルを未然に防げます。実際の現場では、「何をどう進めればいいかわからない」という声も多いため、手続きの流れや注意点をしっかり把握した上で進めることが大切です。

    認知症の相続人がいる場合の分割協議対策

    ● 遺産分割の自由度が下がる

    本来、遺産分割協議では、相続人全員の合意さえあれば、「誰が・どの財産を・どのように相続するか」は自由に決められます。しかし、成年後見人が参加している場合、成年後見人は、本人の利益を保護するために活動しているため、原則として、本人の法定相続分(民法で定められた法律上の相続割合)を確保する内容の遺産分割協議しか認めることができません。

    例えば、被相続人の弟と妹が相続人で、弟に後見人が就いた場合、たとえ妹が被相続人と長年同居していたような場合でも、原則として、後見人は弟が法定相続分(2分の1)以上の財産を相続できる内容の遺産分割をしなければなりません。

    ただし、事情によっては、家庭裁判所とも話し合ったうえで、本人に不利な遺産分割が認められる場合もありますので、個別の事情がある場合には事前によく後見人と相談しておくようにしましょう。

    成年後見人が関与する協議の円滑な進め方

    ● 遺産分割が終わっても後見人は外せない

    「遺産分割のためだけに後見人をつけることはできないの?」という疑問を持つ方も多いですが、現行の制度では、特定の手続きのためだけに成年後見制度を利用することはできません。

    遺産分割を含む相続手続きが終わった後も、成年後見人は、本人の判断能力が回復するか本人が死亡するまで、本人の財産管理や身上監護を行い続けなければなりません。

    そのため、成年後見制度を利用する際は、遺産分割のための一時的なものと考えるのではなく、本人が亡くなるまでの長期にわたる生活に影響することを想定しておきましょう。

    まとめ

    認知症の相続人が遺産分割協議に参加できるか不安がある場合、成年後見人の選任が必要かどうかの判断は極めて重要です。ポイントは、本人が遺産分割の意味や結果を理解し、自らの権利を守る行動ができるかどうかにあります。成年後見制度は、判断能力が著しく低下している場合にのみ利用されるため、医師の診断や日常生活での様子を総合的に確認します。

    実際の流れとしては、家庭裁判所へ成年後見人選任の申立てを行い、医師の診断書や家族の意見書を提出します。申立て後、裁判所が必要と認めれば成年後見人が選任され、その後は成年後見人が相続人の代わりに遺産分割協議へ参加します。成年後見人の選任には数週間〜数ヶ月かかる場合があるため、早めの対応がポイントです。

    成年後見人は、遺産分割協議で不動産や預貯金の分配方法を決める際、成年後見人が本人に不利益が及ばないよう慎重に判断します。過去には、成年後見人が就任していないまま協議を進めた結果、協議が無効とされた事例もありました。こうした失敗を避けるためにも、専門家に早めに相談し、適切な手続きを踏むことが大切です。

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