知っておきたい代襲相続の特徴と数次相続との違いを徹底解説
2025/07/17
相続が発生した際、「代襲相続」や「数次相続」といった言葉に戸惑ったことはありませんか?
複雑な家族構成や、既に亡くなっている親族がいる場面では、誰が相続人となり、相続分がどう決まるのかが特に分かりにくくなります。
本記事では、代襲相続の仕組みや実務的なポイント、数次相続との違いをわかりやすい言葉で解説します。読むことで、遺産分割の実務や必要書類、相続分の計算といった現場で役立つ知識が得られ、不安や疑問が解消されるでしょう。
目次
代襲相続とは何かをやさしく解説
相続における代襲相続の基本知識
● 代襲相続とは?
相続手続きにおいて「代襲相続」とは、本来相続人となるはずの人(例えば子)が、被相続人の死亡以前に亡くなっていた場合や、相続を放棄した場合など、一定の事情で相続権を失ったときに、その子(孫)が代わりに相続人となる仕組みです。
なぜ代襲相続という制度が設けられているかというと、被相続人の意思や親族間の公平性を尊重し、亡くなった相続人の直系卑属(孫など)にも財産を承継する機会を与えるためです。例えば兄弟が2人いて、1人が親より先に亡くなっていた場合、その子(孫)がまったく相続できないというのでは不公平です。この不公平を解消するために、代襲相続があるのです。
代襲相続は主に子が亡くなっていた場合(孫へ)や兄弟姉妹が亡くなっていた場合(甥姪へ)が本来の相続人の場合に適用されますが、配偶者には認められていません。実際の手続きでは戸籍謄本などの必要書類を正確に揃えることが求められます。手続きのミスや誤解を防ぐため、専門家への相談も検討しましょう。
代襲相続が発生する具体的な場面
● 代襲相続が発生する典型的なケース
代襲相続が発生する典型的なケースは、被相続人の子や兄弟姉妹が既に死亡している場合です。例えば、被相続人が亡くなった際、長男が生前に亡くなっていた場合には、その長男の子ども(孫)が代襲相続人となります。
また、相続人が廃除されている場合や欠格事由(例えば故意に被相続人を死亡させた等)に該当した場合も、代襲相続が発生します。こうしたケースでは戸籍の収集が複雑化しやすく、必要書類の確認が重要です。一方で、相続放棄をした場合、代襲相続は起こりません。相続放棄をしてしまえばそこで相続は終わり、次の世代が相続人となることはないのです。
注意点として、代襲相続は兄弟姉妹の子(甥姪)にも認められますが、さらにその子ども(いとこ)には原則として認められません。また、相続分の計算や遺産分割協議の際、代襲相続人の同意が必要になるため、関係者との連絡・調整が不可欠です。
相続で代襲相続が適用される順序
● 代襲相続が適用される順序
代襲相続が適用される順序は、まず本来の相続人である子や兄弟姉妹が相続権を失った場合に、その直系卑属(孫や甥姪)が相続人となります。これを通常の代襲相続とし、さらにその代襲相続人も亡くなっている場合には「再代襲相続」となり、曾孫などが相続人となることもあります。
大阪市では、サービスカウンターや戸籍の広域交付といった、戸籍謄本の取得や家系図の作成がスムーズに行える環境が整っていますが、再代襲まで発生する場合は、必要書類の範囲が広がり注意が必要です。特に遺産分割協議書を作成する際は、全ての代襲相続人の署名・押印が必要となる点に注意しましょう。
相続の順序が複雑になると、相続人同士の認識違いやトラブルが生じやすくなります。失敗例として、代襲相続人の一部が手続きに参加していなかったため、遺産分割協議がやり直しとなったケースもありますので、専門家による事前確認が安心です。
代襲相続と通常の相続の違いを紹介
● 代襲相続と法定相続分
代襲相続が発生した場合、法定相続分はどのようになるのでしょうか。
法定相続分とは、民法で決められた法律上の相続分のことです。
基本的には、代襲相続人は本来の相続人が取得するはずだった法定相続分をそのまま承継します。例えば、被相続人の長男が亡くなっており、その子どもが2人いる場合、長男の相続分を2人が等分して相続する形になります。
代襲相続が発生していると、遺産分割協議の際に相続分の計算が複雑になることがあり、相続財産の種類によっては分割方法にも工夫が求められます。特に不動産や預貯金が複数ある場合、全員の合意が必要となるため、慎重な対応が必要です。
また、法定相続分に従わずに遺産を分配する場合は、全相続人の同意が必須となります。実際の手続きでは、代襲相続人の戸籍謄本や必要書類の不備が原因で、相続登記や名義変更が遅れるケースもあります。早めに必要書類を揃え、専門家に相談することが、スムーズな相続手続きのポイントです。
近年の相続における代襲相続の特徴
相続で代襲相続が必要となるケース
● 高齢化社会と代襲相続
相続において「代襲相続」とは、本来相続人となるべき人が既に死亡している場合などに、その子や孫が代わりに相続する制度を指します。
特に先に子が亡くなっている場合と、先に兄弟姉妹が亡くなっている場合において発生しやすいですが、近年は子どもがおらず、兄弟姉妹が相続人となるケースも多く、そのような場合、後者の代襲相続が発生します。
兄弟姉妹が相続人となっている場合、その兄弟姉妹が先に亡くなっていると、その子(甥姪)が代襲相続人となります。高齢化社会では、相続人となるはずだった兄弟姉妹が亡くなっているケースも多く見受けられ、このような代襲相続が多く発生します。
兄弟のみが相続人となる場合の注意
● 相続人が認知症の場合
相続においては、遺産分割協議など、相続人全員の合意が必要となる手続きがたくさんあります。このような手続きにおいて、相続人のなかに認知症などによって判断能力が不十分な方がいると、その方は、自身の権利を十分に主張することができません。
このような場合、「その人の子どもが代わりに相続人になればいいのでは?」と思う方もいるでしょう。つまり、「認知症になっている相続人に代襲相続は起こらないのか?」という疑問です。結論として、このような場合には代襲相続は起こりません。
解決策としては、認知症となった相続人について成年後見制度を利用し、その相続人の代わりに成年後見人が相続手続きをするという手段をとることができます。
数次相続の仕組みと代襲相続との違い
相続における数次相続の基本的な流れ
● 数次相続とは
代襲相続とよく似た制度として、「数次相続」というものがあります。
数次相続とは、相続発生後に相続人がさらに亡くなり、相続が連鎖して発生する現象を指します。「相続人が次の世代に移る」という点では代襲相続とよく似ていますが、相続人が先に亡くなっているか・後から亡くなるかという点に大きな違いがあります。
数次相続が発生すると、新たに戸籍を集めて相続人を確定させ、相続財産の調査と目録の作成を行います。一次相続で確定した相続人が遺産分割前に亡くなった場合には、二次相続の手続きも同時に進める必要が生じるため、相続手続きが一気に難化します。相続登記や税務申告も複数回に分けて行うことが多いため、専門家への早期相談がトラブル防止につながります。
数次相続が発生する代表的な事例
● 数次相続の典型例
数次相続が発生する代表的な事例としては、被相続人が亡くなった直後や遺産分割協議中に相続人の一人がさらに亡くなるケースが挙げられます。たとえば、父親が亡くなり子どもたちが相続人となったものの、その遺産分割協議前に、同年代である母親が死亡した場合、父母の相続手続きを同時に進めることになります。
また、兄弟姉妹間で遺産分割協議が長引いているうちに、相続人の高齢化や病気により数次相続が生じることも珍しくありません。大阪市のような大都市では、遠方に住む相続人がいる場合や家族構成が複雑な場合、話し合いが長期化しやすく、数次相続のリスクが高まります。
数次相続が発生すると、必要書類が増加し、関係者も増えるため、遺産分割や相続登記の手続きが一層複雑になります。こうした事例では、司法書士や弁護士といった専門家のサポートを受けることで、円滑な手続きとトラブル回避が期待できます。
代襲相続と数次相続の発生タイミング
● 代襲相続と数次相続の違い
代襲相続と数次相続は、いずれも相続人が死亡している場合に発生しますが、発生タイミングに大きな違いがあります。代襲相続は、被相続人よりも先に本来の相続人(たとえば子)が死亡している場合、その子の子(孫)が相続人となる制度です。
一方、数次相続は被相続人が亡くなった後に相続人が死亡した場合に発生します。つまり、遺産分割前や相続登記・税務申告の途中で相続人が亡くなった場合、さらにその相続人の相続人が権利を引き継ぐことになります。発生時期が異なるため、必要となる戸籍や書類の範囲も異なります。
まとめると、代襲相続は「被相続人死亡前に相続人が死亡」、数次相続は「被相続人死亡後に相続人が死亡」という違いが明確です。この違いにより、新たに相続人となる人が異なる点に注意が必要です。この違いを理解し、適切な手続きを踏まなければなりません。
相続手続きで数次相続に注意したい点
● 数次相続が起こるとどうなるか
数次相続が発生すると、相続人の範囲が広がるだけでなく、必要書類や手続きも複雑化します。大阪市では戸籍の広域交付制度が利用できるものの、複数世代分の戸籍や除籍謄本を揃える手間が増えるため、準備に時間がかかることを認識しておきましょう。
また、遺産分割協議書の作成や遺産分割の話し合いに新たな相続人が加わることで、合意形成が難航する場合もあります。相続放棄や遺留分の請求など、それぞれの権利関係の確認も不可欠です。失敗例として、必要な戸籍を取り忘れて登記が遅れたり、相続人全員の合意が取れずに手続きが進まないケースが挙げられます。トラブルや遺産分割の長期化を防ぐためにも、早めに司法書士や弁護士へ相談し、必要な手続きを確認することが肝要です。
代襲相続と数次相続の違いを整理する
相続における代襲相続と数次相続の違い
● 基本的な違い
相続手続きの場面では、「代襲相続」と「数次相続」という2つの言葉がよく登場しますが、それぞれ意味や適用される状況が異なります。まず、代襲相続とは、本来相続人となるべき人(例えば子)が被相続人より先に死亡している場合、その子の直系卑属(孫など)が代わりに相続人となる仕組みを指します。これに対して、数次相続は、相続開始後に相続人の一人がさらに亡くなり、次の相続が連続的に発生するケースをいいます。
例えば父が亡くなり、長男が相続人となる予定だったが、父の死後すぐに長男も亡くなった場合、長男の相続人が父の遺産を相続することになります。このとき、代襲相続では長男の子のみが新たな相続人になりましたが、数次相続では長男の妻も相続人となります。
このように、代襲相続と数次相続は、発生するタイミングや対象となる相続人が異なるため、混同しやすく、相続人調査の際に「どちらが該当するのか」を正確に判断することが重要です。判断を誤ると遺産分割協議が無効になるリスクもあるため、司法書士など専門家への相談が推奨されます。
それぞれの相続分の計算方法を比較
● 法定相続分の違い
代襲相続の場合、亡くなった相続人が本来受け取るはずだった法定相続分を、その子や孫が引き継いで分け合います。例えば、被相続人に子が2人いて、そのうち1人がすでに死亡していた場合、その死亡した子の子(孫)が代襲して相続分を受け取ります。孫が複数いる場合は、その人数で分割されます。
一方、数次相続では、最初の相続で取得した財産が次の相続で再び分割されます。たとえば、父→長男の相続後、長男が亡くなれば、長男の配偶者や子が長男の相続分を再度分け合うことになります。計算方法はそれぞれの相続時点ごとに法定相続分に従って行われ、複数回に分けて相続分が細分化するのが特徴です。
代襲相続と数次相続の対象範囲の違い
● 対象となる範囲の違い
代襲相続の対象となるのは、主に被相続人の子や兄弟姉妹が相続開始前に死亡していた場合です。具体的には、子の代襲相続は孫、ひ孫と直系卑属へ、兄弟姉妹の場合はその子(甥や姪)までが対象となります。ただし、兄弟姉妹の子の子(いとこ)は代襲相続人にはなりません。
これに対し数次相続は、相続開始後に相続人が亡くなった場合に発生し、その相続人の法定相続人が新たに遺産を承継します。対象範囲は、相続人の配偶者や子など、通常の相続と同様の範囲が適用されます。
遺産分割時の注意点と実務的な違い
● 遺産分割協議の方法の違い
代襲相続と数次相続では、遺産分割協議の進め方や必要書類に違いが生じます。代襲相続の場合、代襲者(孫や甥姪など)も遺産分割協議に必ず参加しなければなりません。全員の同意と署名がなければ、遺産分割協議書が無効となるリスクがあります。
一方、数次相続では、最初の相続で分割された財産について、さらに次の相続人で再度協議が必要です。たとえば、父の遺産を長男が相続した後、長男が亡くなれば、長男の配偶者や子で改めて遺産分割協議を行います。この際、各相続人の権利関係や遺産の範囲が複雑になる傾向があります。
相続手続きで混同しやすい場面を整理
● トラブル防止のために
実際の相続手続きでは、代襲相続と数次相続を混同しやすい場面が多く存在します。たとえば、被相続人の死亡時点で相続人がすでに亡くなっている場合と、相続手続きの途中で相続人が亡くなった場合では、適用されるルールがまったく異なります。
大阪市のような都市部では、家族構成の複雑さや転居歴の多さから、戸籍調査や相続人確定の過程で混乱しやすい傾向があります。特に、兄弟姉妹間の代襲相続や、二次相続が絡むケースでは、必要書類や協議の範囲を誤認しやすいので注意が必要です。
こうした混同を防ぐためには、相続発生時の被相続人の状況や、相続人の生死を正確に把握し、早い段階で専門家に相談することが有効です。大阪市では、戸籍や住民票の広域交付を活用し、必要書類を短期間で整えることもトラブル予防に役立ちます。
代襲相続が起きた際の注意点
相続における代襲相続と数次相続の違い
● 相続放棄の期限
代襲相続が発生した場合、相続放棄や各種手続きを期限内に進めることが極めて重要です。相続放棄は原則として相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。代襲相続人も同様に、相続発生を知った時点からこの期限が適用されます。
期限を過ぎてしまうと、放棄が認められず予期しない借金や債務まで相続してしまうリスクがあります。また、代襲相続人が複数いる場合、誰が放棄し誰が承認するのかで手続きが複雑化しやすく、放棄届の不備や提出漏れが後々のトラブル原因となることも少なくありません。
それぞれの相続分の計算方法を比較
● 遺産分割時のトラブル
代襲相続が関係する場合、遺産分割協議でのトラブルが起きやすい傾向があります。主な原因は、代襲相続人の人数や関係性が複雑化し、相続分の認識にズレが生じやすいことです。法定相続分を明確に把握し、全相続人が協議に参加することが重要となります。
また、遺産分割協議書の作成時には、代襲相続人全員の署名押印が必要です。一部の相続人が協議に参加していない場合、後日無効とされるリスクがあるため、連絡が取りにくい親族がいる場合は早期に所在調査や連絡手段の確保を行いましょう。
さらに、感情的な対立や誤解が生じた場合は、第三者である司法書士や弁護士を交えて協議を進めることが円満解決への近道です。事前の説明や資料共有を丁寧に行うことで、協議後のトラブルを未然に防ぐことが可能です。
代襲相続と数次相続の対象範囲の違い
● 廃除や相続欠格
廃除や相続欠格が発生した場合、その兄弟姉妹の子が代襲相続人となるかどうかも重要なポイントです。民法では、廃除や相続欠格によって相続権を失った兄弟姉妹がいる場合でも、その子には代襲相続が認められるとされています。つまり、廃除・欠格の事由があった本人の子(甥姪)は、引き続き相続人となる権利を持ちます。
ただし、廃除や相続欠格があったことを証明するために、家庭裁判所の審判書や確定判決書など追加書類が必要となる場合があります。これらの書類を揃える際は、手続きが通常より複雑化するため、早めに司法書士などの専門家へ相談し、相続手続き全体の流れを確認しながら進めることがトラブル防止につながります。
まとめ
相続手続きにおいて「代襲相続」の範囲を正確に理解することは、トラブル防止の第一歩です。
相続人は誰か、再代襲相続が認められるか、廃除や相続欠格があるかどうかによって、遺産分割の話し合いや必要書類の内容が大きく変わります。特に遺産分割協議書の作成時や相続登記の申請時に誤りがあると、手続きがやり直しになることもあるため、事前に専門家に確認することをおすすめします。

